2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659143
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小原 克彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30260384)
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Keywords | プレ・フレイルティ / 動脈スティフネス / 認知機能 / サルコペニア / サルコペニック肥満 / 重心動揺 / 起立性血圧変動 / 縦断研究 |
Research Abstract |
全身老化の指標としてのpre-frailty症候群の構成要因である認知機能、筋委縮、骨塩低下、バランス障害などと動脈stiffnessとの関連性の検討を継続して行った。具体的には、認知症スクリーニングテストの点数とbaPWVおよび頸動脈IMTとに有意な負の相関を認めた。認知症テストの軽度の低下でも、これらのパラメータは、有意な上昇を示しており、MCI(軽度認知症)における血管老化の関与が示唆される(AAN 2011で報告した)。さらにMRIによる脳萎縮度がbaPWVと有意に相関することを認めた(AHA高血圧部会2011)。また筋肉減少は、frailtyの主要な要因であるが、腹部肥満と組み合わさるサルコペニック肥満では、動脈stiffnessの上昇がさらに大きくなることを認め論文に報告した(Int J Cardiol 2012 in press)。転倒リスク要因として、バランス機能と動脈stiffnessとの関連を検討した。重心動揺計による動揺性と片足立ち保持時間のいずれのバランス指標も、baPWVと相関し、現在論文化中である。さらに起立性の血圧変動を転倒リスクとして評価した。起立性の血圧変動とbaPWVとの間には、J型の関係を認め、さらに、食後性の血圧変化もbaPWVと関連することを認め(AHA高血圧部会2011で報告)論文化の予定である。これらの関係は、年齢で補正後にも認められており、動脈stiffnessが年齢とは独立したpre-frailtyのリスク要因であるという、研究申請の仮説が正しいことを示唆している。Pre-frailtyの概念を総説として発表した(Adv Med Biol 2012 ; 38 : 317-323)。また全身老化のバイオマーカーである見た目年齢が、実年齢以上に動脈硬化と関連することを報告した(Geriatr.Gerontol.Int 2012 inpress)。これらの横断研究の結果を踏まえ、縦断面研究を開始した。転倒・骨折、脳心血管病の発症をエンドポイントとしたアンケート調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果がそろい、3つの論文発表を行った。学会発表を終えているものもあり、今後も論文化が進むと考えられる。検討項目は多数あるが、プレ・フレイルティ症候群の概念を英文のミニ・レビューとして発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であり、成績をまとめて論文化を進める。認知機能、脳萎縮、重心動揺、骨粗鬆症とbaPWVの関連性を論文化する。縦断面研究のデータ収集を進め、結果の解析に進む予定である。さらに、プレ・フレイルティ症候群の検討を進め、新たな診断基準の構築を目指したい。
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Research Products
(21 results)