2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的薬暴露癌細胞の中長期生存分子機構の解明と新規癌関連遺伝子同定への応用
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22659163
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
萩原 弘一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00240705)
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Keywords | 非小細胞肺癌 / 耐性 / EGFR / K-ras |
Research Abstract |
EGFR遺伝子変異,EML4-ALK融合遺伝子,K-ras遺伝子変異は,非小細胞肺癌で認められる主要な遺伝子変異である。しかしながら,EGFR阻害剤,ALK阻害剤はそれぞれの遺伝子変異を有する肺癌に著効するにもかかわらず,K-ras阻害剤は無効であることが知られている。EGFR,ALK融合遺伝子,K-rasは,全て細胞増殖・生存シグナル伝達経路中の分子だが,既知のシグナル伝達経路図を見ても各阻害剤の効果の違い・耐性のメカニズムなどの数々の疑問に対する答えは明確でない。さらに短時間のシグナル伝達はリン酸化など既存の蛋白の修飾によって行なわれるが,細胞生存・増殖などの長期間の変化は遺伝子発現を通じて実現されるため,遺伝子発現の面からの検討が必要である。これらの疑問について解明し、新たな分子標的治療の標的分子を探るため,複数のEGFR変異細胞株,EML4-ALKを有する細胞株,K-ras遺伝子変異細胞株の遺伝子発現を,各遺伝子阻害前,各遺伝子阻害96時間目で比較検討した。 これまでに、各細胞株のうち、II-18,PC9,A549の正常細胞・96時間遺伝子機能を抑制した細胞を各々2種類、計12種類提出し、RNA発現アレイの結果を得た。 約47000種類の遺伝子について、提出した正常細胞2種類、96時間遺伝子機能を抑制した細胞2種類で同様の結果となっている遺伝子を選択し、この中からII-18,PC9では遺伝子機能抑制状態で発環が亢進しており、A549では発現の亢進を認めない遺伝子を12種類発見した。この遺伝子は肺非小細胞肺癌の治療過程において耐性発現を認める原因遺伝子の候補となりえる。
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Research Products
(1 results)