2010 Fiscal Year Annual Research Report
凝集阻害ペプチドQBP1の化合物アナログデザインによるポリグルタミン病治療薬創薬
Project/Area Number |
22659172
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
永井 義隆 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第四部, 室長 (60335354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 マリ 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第四部, 外来研究員 (20455405)
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Keywords | 神経科学 / 蛋白質 / 脳神経疾患 / 治療薬 / ペプチド / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / 分子デザイン |
Research Abstract |
近年、アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン(PolyQ)病など多くの神経変性疾患において、異常蛋白質のミスフォールディング・凝集が共通に神経変性を引き起こすと考えられるようになった。本研究では、異常伸長PolyQ蛋白質のミスフォールディング・凝集を阻害する異常伸長PolyQ鎖結合ペプチドQBP1の低分子化・非ペプチド化により、QBP1の活性を保持しかつ生体内・脳内への移行性が高いドラッグ-ライク化合物アナログの分子デザインを行って、PolyQ病治療薬の創薬を目指すべく、以下の研究を行った。 1)QBP1配列(SNWKWWPGIFD)中の活性必須アミノ酸配列の同定:QBP1のアラニン・スキャン体、Dアミノ酸・スキャン体、欠失変異体など様々な変異体を系統的に作成し、in vitroでのThio-PolyQ凝集濁度アッセイを用いて、これらの変異体のPolyQ凝集阻害活性の網羅的な解析を行った。その結果、N末端のSN、およびC末端のDはPolyQ凝集阻害活性に明らかな影響を与えず、WKWWPGIFの8アミノ酸が最小活性配列であり、これらの配列のうち、W3、W5、W6、I9、F10の5アミノ酸がPolyQ凝集阻害活性に必須であることを明らかにした。2)NMRを用いたQBP1-PolyQ鎖複合体の構造解析:QBP1-PolyQ鎖の結合に寄与するアミノ酸配列を明らかにするために、NMRを用いてQBP1-PolyQ鎖複合体の構造解析を試みている。これまでに、過剰量のQBP1存在下において高濃度のPolyQ蛋白質(20-100 microM)の可溶性を保持でき、NMRシグナルを得ることに成功した。 今後、QBP1-PolyQ鎖複合体のNMR構造解析を進め、QBP1活性に必須なアミノ酸骨格を基本に様々なペプチドミメティクスを導入して、構造活性相関から最適のQBP1化合物アナログをデザインする。
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