2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA修飾と自己識別:自己免疫疾患発症の新たな分子機構
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22659186
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
剣持 直哉 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (00133124)
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Keywords | RNA修飾 / ノンコーディングRNA / snoRNA / リボソームRNA / 自己免疫疾患 / RNA抗体 / ゼブラフィッシュ / 人工抗体ライブラリー |
Research Abstract |
タンパク質に翻訳されないノンコーディングRNA(ncRNA)が生体内で多数存在することが明らかとなり、その生理作用に大きな関心が寄せられている(RNA新大陸の発見)。これらのRNAは通常メチル化など種々の修飾を受けているが、その意義は不明である。本研究はRNA修飾と自己免疫疾患との関連を明らかにすることを目的とする。本年度は、RNA修飾が欠損したモデル動物の作製・解析およびncRNAに結合する抗体の作製を行い、以下の成果を得た。 1.RNA修飾欠損モデル動物の作製・解析:ゼブラフィッシュを用いて、RNA修飾に働くsnoRNA(U22、U26、U44、U78の4種類)の発現を阻害したところ、発育遅滞、頭部の形成不全、色素沈着の遅れなど重篤な表現型が観察された。また、これらの阻害胚からRNAを抽出して、snoRNAの生成が抑制されていること、さらにU26については、標的であるリボソームRNA(rRNA)の修飾が低下していることを確認した。このゼブラフィッシュは、RNA修飾の生体内における機能を解析するための有用なモデルになると考えられる。 2.ncRNAに結合する人工抗体の作製:ファージディスプレイ型の人工抗体ライブラリーから、28SrRNAおよびU1 snRNAの自己抗体結合部位を認識する抗体クローンを単離した。結合の特異性をELISA法にて確認するとともに、これらのファージクローンからヒト型IgGの作製を試みた。得られたIgGは、ncRNAと自己免疫疾患の関連を解析するための強力なツールになると期待される。
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Research Products
(7 results)