2011 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞を起点にしたアレルギー性鼻炎発症機序の解明
Project/Area Number |
22659187
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60241171)
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Keywords | 上皮細胞 / 鼻炎 / アレルギー / アレルゲン / 好塩基球 / サイトカイン |
Research Abstract |
次年度はアレルギー性鼻炎発症におけるpro-allergic-cytokineと好塩基球の関与を明らかにした。 (1)アレルギー性鼻炎発症に対するpro-allergic-cytokineの関与 アレルギー性鼻炎発症に対する上皮細胞からのpro-allergic-cytokineの役割を検討する目的で、初年度に樹立したブタクサ(ragweed:RW)感作RW点鼻アレルギー性鼻炎モデルをIL-33欠損マウスを用いて、鼻炎発症を検討した。その結果、1)IL-33欠損マウスではRW点鼻後10分間に発症する"くしゃみ"(早期相)と、2)点鼻後24時間後の鼻粘膜への好酸球浸潤及び頸部リンパ節細胞のTh2サイトカイン産生(遅発相)が正常マウスに比較して著明に折制された。更に、3)当該アレルギー性鼻炎モデルマウスでは、好酸球浸潤と同時に鼻粘膜への好塩基球浸潤が認められ、この好塩基球浸潤もIL-33欠損マウスでは著明に抑制された。 (2)アレルギー性鼻炎発症に対する好塩基球の関与 アレルギー性鼻炎発症に対する好塩基球の役割を検討する目的で、(1)FceR1欠損マウス、(2)好塩基球除去マウス(マウスに抗FcεR1 抗体MAR-1を投与)または(3)W/W^vマウス(マスト細胞欠損マウス)を用いて、RW感作RW点鼻による鼻炎発症を検討した。その結果、いずれのマウスにおいてもコントロールマウスに比較して、"くしゃみ"(早期相)と鼻粘膜への好酸球浸潤(遅発相)は著明に抑制された。 以上の実験結果から、RW点鼻によって誘導された内因性IL-33とFcεR1陽性細胞(好塩基球とマスト細胞)が花粉特異的アレルギー性鼻炎の発症に重要な役割を演じていることを明らかにした。
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Research Products
(28 results)