2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規解析技術を用いた難治性てんかんを伴う大脳皮質異形成の責任遺伝子の探求
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22659197
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
伊藤 雅之 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第二部, 室長 (50243407)
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Keywords | 難治性てんかん / 大脳皮質異形成 / 遺伝子 |
Research Abstract |
昨年度の引き続き、研究計画にしたがって、大脳皮質形成異常(FCD)の病巣神経細胞DNAおよび同一患者血液由来DNAの抽出とCGHアレイ解析を行なった。 対象は、本研究への参加の了解を得た難治性てんかん患者で外科手術を受け、FCDと臨床および病理学的に診断された脳組織および血液DNA。このFCD病巣の神経細胞DNA抽出と同一患者血液のDNA抽出を行い、高精度CGHアレイの反応と解析を行なった。方法として、(1)FCDの凍結組織をホモジナイズし、濃度勾配超遠心により細胞核の成分だけを取り出した。この溶液にあらかじめAlexa488で標識した神経細胞核抗体であるNeuN抗体(Sigma)を一晩反応させる。フィルターなどで洗浄後、Cell sorter(BD社FAC-Scan Aria H)でAlexa488陽性細胞だけを回収した。(2)同一患者から得た約1mlの血液をQiagen Blood DNA kitを用いてDNA抽出を行なった。(3)検体DNAの処理とCGHアレイの反応と解析した。(1)(2)で得た各1μgのDNAをCy3、Cy5で標識し、Agilent CGHアレイ(SurePrint G3 human CGHマイクロアレイ1M)にハイブリダイズ反応を40時間行なった。洗浄後、Agilent C scanerとcontrol softwareでデータを収集し、Agilent Genomic Workbenchで解析した。現在までに8症例の解析を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているものの、症例によりDNA収量が異なり解析に適さないことが少なくない。今後の課題の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得ている8例の解析結果を詳細に検討し、原因遺伝子候補を決定する。それらについて、定量PCR等により絞り込んでいく。同時に、今年度得られる症例について、DNA収量を増やすためにcell sortingに代わる、より効率的なDNA収集法を検討している。cell sortingで捕獲できる細胞がおよそ10%程度であり、DNA収量の点で問題である。これを解決するために、cell sortingによらないDNA抽出を行い、質的検討では遜色ない結果を得たので今後この方法を用いることとする。この新たな方法による症例の蓄積により、より精度の高い原因遺伝子候補決定が期待できる。
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Research Products
(2 results)