2011 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体を用いた呼気ガス検査とビオプテリンの精神疾患における有用性の検討
Project/Area Number |
22659215
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
功刀 浩 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第三部, 部長 (40234471)
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 薬学 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究は、安定同位体^<13>Cを用いて生体内のモノアミン産生量を推定し、気分障害や統合失調症の診断指標/バイオマーカーとしての有用性を検討することを第一の目的とする。また、モノアミン生合成において重要な補酵素として働くテトラヒドロビオプテリン(BH4)の診断や治療への応用の可能性について検討することを第二の目的とする。 平成23年度は、うつ病53名、双極性障害27名と健常者23名の^<13>C-フェニルアラニン呼気ガス検査の結果を得た。平成22年度までに行っていた結果と合わせると、統合失調症91名、うつ病77名、双極性障害32名、健常者181名に同検査を実施した。その結果、統合失調症患者の呼気ガス中の^<13>CO_2排出量は健常者と比較して有意に低下していた(p=0.0005)。うつ病患者では健常者と有意差はなく、双極性障害患者では、うつ病と統合失調症の間に位置した。上記被験者の血中BH4濃度を測定したところ、統合失調症において有意に低下していた。呼気検査と血中BH4の両方が低値を示した統合失調症患者に、BH4を投与した後に呼気検査を行ったが、呼気検査結果の改善はみられなかった。さらに、23年度は統合失調症6名、うつ病2名と健常者14名の^<13>C-トリプトファン呼気検査の結果を得た。^<13>C-トリプトファンの内服量は150mgとした。統合失調症と健常者では大きな差は見られなかった。動物実験を行い、抗精神病薬が呼気ガスに及ぼす影響を検討した結果、ラットでは抗精神病薬による呼気ガス結果に対する有意な影響はみられなかった。従って、^<13>C-フェニルアラニン呼気検査の結果が低下しているのは》抗精神病薬による影響ではないと推定された。本研究のパイロット研究の結果を英文論文として発表し、Translational Psychiatry誌に受理された。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] ^<13>C-phenylalanine breath test detects altered phenylalanine kinetics in schizophrenia patients2012
Author(s)
Toshiya Teraishi, Yuji Ozeki, Hiroaki Hori, Daimei Sasayama, Shuichi Chiba, Noriko Yamamoto, Haruko Tanaka, Yoshimi Iijima, Junko Matsuo, Yumiko Kawamoto, Yukiko Kinoshita, Kotaro Hattori, Miho ota, Masahiro Kajiwara, Sumio Terada, Teruhiko Higuchi, Hiroshi Kunugi
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Journal Title
Translational psychiatry
Volume: (In press)
Peer Reviewed