2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体液晶の磁場応答性を利用した核磁気共鳴画像診断における多機能医薬品の開発
Project/Area Number |
22659216
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柏倉 幾郎 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (00177370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 陽子 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80225739)
門前 暁 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (20514136)
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Keywords | 金属錯体液晶 / 造影剤 / MRI / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
研究代表者のグループは,表示媒体に利用されている液晶材料のうち両親媒性液晶化合物の細胞膜への親和性と集積性に着目し,これら化合物にヒト腫瘍細胞抑制活性を見い出し,現在その作用機構並びに腫瘍特異性の高い化合物探索を行っている.本研究では,これら液晶化合物の生物学的作用に加え,その磁場・電揚配向性に着目し,規則的な金属の集合体からなる新規金属錯体液晶を創製し,磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging,MRI)診断における新規造影剤の開発を目的とする.更に,MRI診断において抗腫瘍作用と配向特性を利用した多機能医薬品への応用発展性の可能性を探索する.平成23年度の研究の結果,以下の点を明らかにした. 1.14種類の液晶化合物,末端に水酸基を有するD-glucamineを持つphenylpyrimidine及びcyanobiphenyl誘導体,の生物及び薬理作用について,ヒト単球系白血病細胞U937を用いて検討したところ,幾つかの化合物にアポトーシスではないS期停止を介した増殖抑制を示した.この時細胞内タンパクのうちMCM2,cyclinA,cyclinB,CDK2,phospho-CDK1 and Cdc25C発現の低下が観察された.また,活性化合物は可動域を有する棒状構造が効果的である事が示された. 2.新規に合成された液晶関連化合物の抗腫瘍活性を,非小細胞肺癌A549細胞を用いて検討した.数種類の化合物の増殖抑制作用を検討したところ,そのうちの1化合物12μM添加3日後の生細胞数は非添加対照群の10%以下であった.この化合物の抑制作用は,活性化型Casapase-3を強く発現させる事からアポトーシスを誘導によることが示された.併せてこの化合物の放射線増感作用を検討したところ増感作用は認められなかったが,放射線と相加的に作用することが示唆された.
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