2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的内照射治療における戦略的治療薬剤創製基盤の開発
Project/Area Number |
22659219
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50305603)
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Keywords | オージェ電子 / 内照射治療 / 癌 / 分子標的 / 分子イメージング |
Research Abstract |
本研究は、神経内分泌腫瘍をモデル腫瘍とし、核、細胞実質、細胞膜の異なる3カ所を標的部位とするオージェ電子放出内照射治療薬剤を作製し、これらの薬剤の殺細胞効果を3種類の神経内分泌腫瘍細胞の2次元培養及び3次元培養系で評価する。さらにこれらの腫瘍細胞を移植した腫瘍移植マウスに薬剤を投与し、生体内での効果を検討し、最も効果的な標的部位を探索する。同時に、各標的部位ごとに殺細胞効果の作用機序の検討を遺伝子及びタンパク質レベルで解析し、マウスを用いた検討では、副作用の有無についての検討を行う。 本年度は、核酸を標的とする内照射薬剤を腫瘍移植マウスに投与して、その腫瘍体積の増加を観察した。その結果、核酸標的内照射治療薬剤投与群において、腫瘍体積の増大を抑制する効果が認められ、内照射治療薬剤としての可能性が示された。また、マウスの体重減少は確認されなかったことから、重篤な副作用は発現していないと考えられる。細胞膜標的内照射薬剤の検討においては、細胞に添加する放射能量が増えるにつれ、死細胞の数が増えることが確認された。さらに核酸標的内照射治療薬剤の添加で確認されたアポトーシスの誘導は、ほとんど確認されなかった。この結果は、核酸標的内照射治療薬剤の増殖抑制作用とは異なるメカニズムで、細胞死を誘導していることを示唆しており、新しいタイプの内照射治療薬剤の開発の可能性を示している。 以上の検討により、オージェ電子を利用した内照射治療では、治療標的によって異なるメカニズムで腫瘍を治療できる可能性が確認され、今後の薬剤開発に有用な知見を得ることができた。
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Research Products
(6 results)