2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい放射線がん治療法イオンビーム-BNCTの検討
Project/Area Number |
22659222
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
遠藤 暁 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90243609)
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Keywords | 粒子線治療 / BNCT / 逆反応 / ^1H(^<13>C,n)^<13>N反応 / 中性子生成断面積 / phitsコード |
Research Abstract |
本研究では重粒子線とBNCTの新しい複合治療法について検討する。前段階として、使用するphitsコードの信頼性を確かめ、その後、人体中で発生する中性子でBNCT線量がどの程度得られるかを検討することを目的としている。 これまでに、生体等価物質としてアクリル板およびポリエチレン板、また、水素以外の炭素、酸素から生成する中性子を見積もるための炭素標的、以上3つの標的に_<13>Cビームを入射させ、中性子線の収量を放医研サイクロトロンにおいて測定を行った。また、phitsコードによるシミュレーションを行い測定値との比較を行い、現行のphitsコードには、_1H(_<13>C,n)_<13>N反応が考慮されておらず、そのままでは、検討する治療シミュレーションに入れないことが明らかとなった。したがって、phitsコードに組み込むために_1H(_<13>C,n)_<13>N反応断面積を測定している。本研究年度は、入射_<13>Cビームエネルギーとして、9MeV/核子の測定を行い、アクリル(_<13>C,n)およびC(_<13>C,n)の中性子発生断面積を同定した。C(_<13>C,n)の寄与をアクリル(_<13>C,n)から差し引くことで、_1H(_<13>C,n)_<13>N反応断面積を評価した。得られた断面積は、1H(_<13>C,n)_<13>N反応の2体反応運動学と矛盾が無いことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Phitsコードで利用可能なQMD断面積は低エネルギーにおいて、2体反応の断面積を内包しておらず、シミューレーションの実施には、断面積の決定する必要性を明らかにした。現在厚いターゲットにおける2体反応の断面積を収集中である。
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Strategy for Future Research Activity |
QMD断面積での計算は、1度行っている。QMD断面積に考慮されていない2体反応の断面積の決定することで、計算の精度を向上させ検討する事ができると考えている。
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Research Products
(1 results)