2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト上皮培養細胞を用いた多能性幹細胞の樹立と組織構築の研究
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22659228
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
嶋田 裕 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (30216072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 一博 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (90171967)
奥村 知之 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10533523)
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Keywords | ヒト上皮細胞 / 多能性幹細胞 / 消化管組織 / 線維芽細胞 / 山中4因子 |
Research Abstract |
昨年度に続き、ヒト正常消化管上皮の培養では13症例に対して食道上皮の培養に取り組み継代可能なヒト食道上皮細胞株を6株樹立し、貴重な上皮細胞であるBarrett上皮細胞も現在樹立に向けて培養中である。またヒト胃上皮細胞の培養では9症例について培養を行ったが継代可能株の作製は困難であり、培養条件の見直しを行っている。胆嚢上皮細胞では4症例で初代培養に成功して1例で継代可能細胞株が作成可能であった。現在まで消化管上皮培養ではコラーゲンおよびマトリゲルを基質に使用しているが、正常上皮細胞の継代培養は食道上皮以外は成功しておらず、培養基質の改良が不可欠であると考え、数種類の基質を試用したがまだ絞り込めていない。また培養液は種々の無血清培地を試用したが、ケラチノサイトSFM以外に適したものがまだ見つかっていない為に、今後も改良に取り組む予定である。これらの正常上皮細胞は凍結保存を行った。 京大におけるiPS細胞樹立は初代細胞からの樹立が困難であったことから、継代可能細胞よりの樹立に切り替え、凍結保存細胞からの樹立を目指すこととなり準備中である。またips関連因子である山中4因子とNanogの各種癌における関与を検討し、これらの因子の破綻が癌細胞の悪性化に繋がることが示唆されている。 組織構築のために各種消化管の間質細胞(主に線維芽細胞)の作成では昨年度の繊維芽細胞株に加えて平滑筋腫2株(TYLEIO-2,TYLEIo-3),神経鞘腫細胞株(NSWN-1)の樹立に成功した。今後の組織構築に応用予定である。組織構築についてはバイオプリンターによる数層の細胞の立体構築が可能となりつつあるが、正常上皮細胞は単細胞となると増殖が極端に低下することから、細胞集塊による多層の組織構築を試みているが、まだ成功していない。
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Research Products
(2 results)