2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍組織内NY―ESO―1特異的制御性T細胞株の樹立とその解析
Project/Area Number |
22659230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川田 純司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10528681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 進一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80571356)
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Keywords | 癌 / 外科 / 免疫学 / 制御性T細胞 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
・腫瘍内制御性T細胞(Treg)採取症例:胃癌1例、間葉系腫瘍1例、肝臓細胞癌3例、転移性肝癌2例。 ・腫瘍内浸潤リンパ球(TIL)採取操作の工夫:1例目の肝細胞癌症例では、1cm立方新鮮腫瘍組織をハサミなどを用い砕断した後、メスにてさらに細かく破砕し、セルストレーナーを通したものを、Ficollを用い精製した。TILは3.8×10^6個と少なく、操作の改善を試みた。Miltenyi Biotec社のGentle MACSにより器械的に組織の破砕を行った場合、セルストレーナーとFicollを用いると、2.0から4.0×107個(平均3.18×10^7)のTIL採取が行えた。 ・Treg分画の解析:TILとともに、同時に採取した末梢血を用い、CD4陽性制御性T細胞をCD45RA抗体とFoxP3抗体を用いてFACScanにて展開した。これにより、活性化Tregの割合が判明する。1例目の肝細胞癌症例は全TIL数が僅かなため、解析できなかった。2例目の転移性肝癌症例では3.4×10^7個のTILが精製できたため、CD4分画を確認したが、この症例ではTIL全体の約80%がCD8陽性細胞であり、約1%のみがCD4陽性であり、以降の解析は中止した。3例目以降は、精製したTILにおけるCD4陽性細胞の割合は20-45%であった。精製末梢血とともに現在凍結保存中である。 ・今後:これら末梢血およびTIL中CD4陽性細胞における活性化Treg細胞の割合をFACScanにて測定する。また、CD25陽性細胞を限界希釈法を用いてサイトカイン刺激下に培養増殖し、FACScanを用いてTreクローンを採取する。
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