2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞冬眠誘導を用いた転移性肝癌に対する治療法の開発
Project/Area Number |
22659241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片寄 友 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20302151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 圭 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20542294)
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Keywords | 転移性肝癌 / 肝細胞癌 / 冬眠 |
Research Abstract |
転移性肝癌の治療は外科的切除が第1と考えられ、切除の可能性を探り術前化学療法を積極的に取り入れている。われわれもBevacitumabを用いたネオアジュバント療法を積極的に施行している。しかし強力な化学療法を行えば脂肪肝やblue liverなど副作用により治療困難になる場合が増えている。そこで、正常細胞に冬眠状態に誘導することにより細胞静止状態となり、正常細胞が各種抗癌剤耐性となることと、冬眠誘導されない癌細胞が特異的に抗腫瘍効果を誘導できるという考えのもと、転移性肝癌に対する新規治療を開発することを目的とした。 本年度では、非冬眠動物の肝臓が冬眠状態を維持できるかを蛍光標識グルコース誘導体2-NBDGを用いて代謝の面から検討した。用いた細胞は、胆道癌の細胞株TFK-1、HuCCT1を用いて,初期条件の設定を目的とした実験を施行した。フローサイトメトリーでの結果 1.蛍光標識グルコース誘導体2-NBDGによる分離の検討:95%以上の目的細胞集団の分離率が得られ、十分検討に用いることが可能であることを確認した. 2.蛍光標識グルコース誘導体2-NBDGの至適濃度の検証:細胞株ごとの測定可能濃度の検討をした. 3.蛍光標識グルコース誘導体2-NBDGの反応時間と蛍光強度の検討:2-NBDG投与後、40~60分から蛍光強度がプラトーに達し、約1時間後から実験が可能である確証を得た. 4.2-NBDG反応後の保存条件による蛍光強度の変化の検討:冷却保存することで代謝・排出による蛍光強度の減弱の回避が可能であることを確認し、停電など不慮の事態時に細胞の保存、中断が可能であることを確認した。 以上より、蛍光標識グルコース誘導体2-NBDGによる代謝からの細胞状態の検討が可能であることを確認した。
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