2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工多能性幹細胞由来の腸上皮細胞株の確立と大腸癌幹細胞モデルの構築
Project/Area Number |
22659242
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜井 孝夫 広島大学, 病院, 講師 (10444689)
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Keywords | iPS細胞 / 腸上皮細胞 |
Research Abstract |
本研究では、マウスiPS細胞(iPS-MEF-Ng-20D-17)をフィーダー細胞(SNL76/7,MEF(RCHEFC003))上で培養して用いた。マウスiPS細胞から正常腸上皮細胞株を樹立する目的で、予備実験で確認された細胞分化が生じる際に腸上皮に分化誘導するため、腸の分化増殖に関与する腸上皮細胞特異的ホメオボックス転写因子Cdx2の遺伝子導入を試みた。 pBA:BE-Hygro(RTV-001-hygro)にCdx2のcDNA組み込んだレトロウイルスを作製し、CDX2タンパク非発現大腸癌細胞株であるRKOに感染させて、作製ウイルスが機能することを確認した。その後outgrowth cultureを行い、細胞の分化誘導を以下の方法で評価した。内胚葉系前駆細胞へ誘導後の培養細胞に対して、内胚薬マーカーとなるSOX17に対する抗体を用いた免疫染色を行った。またウイルス感染後の培養細胞に対して抗CDX2抗体による免疫染色を行った。いずれのタンパク発現も増強が見られなかった。続いてSox17およびCdx2遺伝子の発現レベルを比較するために、培養細胞からRNAを回収後、逆転写を行ってcDNAを作製した。このcDNAを鋳型として定性的polymerase chainreaction(PCR)およびreal time PCRを行ったが、いずれも分化誘導前の細胞と比較して明らかな発現増加を確認できなかった。以上より、マウスiPS細胞(iPS-MEF-Ng-20D-17)に対して、高濃度のactivinAと低濃度血清による培養と、レトロウイルスによる遺伝子導入では有効な分化誘導が得られなかった。
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