2011 Fiscal Year Annual Research Report
解糖系酵素スプライシング異常の臨床的意義と大腸癌スクリーニングへの応用
Project/Area Number |
22659248
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
椎葉 健一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (90196345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正幸 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (00573685)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシューバンクセンター, センター長 (50225918)
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Keywords | 大腸癌 / 遺伝子発現 / スプライシング / 解糖系酵素 / 低酸素 |
Research Abstract |
腫瘍細胞における解糖系の構成的異常亢進は、古くより「ワールブルグ効果」として広く認識されている。本研究では、このワールブルグ効果と密接に関連する解糖系酵素の異常な酵素型変換、特にその原因(スプライシング異常)を採り上げて研究を行った; 1)臨床サンプルを用いた解析を行い、約100症例程度のスプライシング解析をほぼ完了した。初期がんや腺腫等の解析から、スプライシング異常が、大腸発がんの早い段階で起こることが示唆された。そこでさらに、大腸発がんにおける極めて早期の前がん病変と考えられているACF(aberrant crypt foci)を用いた検討を行ったが、明確な結論には至らなかった。今後、解析例を増やして再検討する必要があると思われた。前年度に開発したモノクローナル抗体を用い、ELISA法によって、スプライシング異常の「腫瘍マーカーとしての可能性」評価を行ったが、有用性の立証には至らず、さらなるシステム改良の必要性が判明した。 2)大腸がんにおけるスプライシング異常への関与が疑われる、いくつかのスプライシング因子の異常を見出した。これらスプライシング因子は、大腸がんでその発現が有意に上昇していた。また、細胞株においてこれらスプライシング因子のノックダウン実験を行ったところ、スプライシング異常を部分的に是正することが出来た。独自に開発したレポーターシステムを染色体に安定的に組み込んだ「スプライシング可視化細胞株」を試作した。
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Research Products
(3 results)