2010 Fiscal Year Annual Research Report
計算流体力学を応用した心血管手術支援プログラムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
22659252
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60437316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90448035)
坂口 太一 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10467574)
宮川 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70544237)
白川 幸俊 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20457013)
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Keywords | 先天性心疾患 / 循環・高血圧 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
先天性心疾患、特に何らかの血流再建を伴う疾患群においては、その血流形態が術後心機能に及ぼす影響は多大である。特に肺動脈閉鎖疾患群における右室一肺動脈間の血流再建や、単心室疾患群に対するFontan手術における静脈環流路作成は、いかにストレスのない血流を作成するかがポイントになると我々は考えた。そこで、この研究課題を申請し、現在、コンピューターシミュレーションソフトを立ち上げ、流体力学を用いた血流評価が可能となっている。まずFontan循環における静脈環流につき実際の症例における検討を行っている。Fontan循環は、現在の主流として心外導管を用いたTCPCという術式が行われているが、以前行われていた心房-肺動脈吻合による術後長期心不全が問題となっている。そこで、心房-肺動脈吻合が行われ心不全をきたした症例において、まずMRIによる患者の血流評価を行った後、流体力学シミュレーションを行いその血流形態につき、検討を行った。その結果、心房-肺動脈吻合においては、特に拡大した心房において血流が整流ではなくなりエネルギーが失われるのに対し、TCPC転換を行った後にはその静脈血流が整流となり、エネルギー損失も改善したことを学会報告した。以上の結果より、このソフトが臨床応用可能であることが考えられ、現在シミュレーションの適応を広げ症例数を増加させ検討を行っている。
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Research Products
(2 results)