2011 Fiscal Year Annual Research Report
未破裂脳動脈瘤の核磁気共鳴生体イメージングによる追跡と破裂予測システムの構築
Project/Area Number |
22659257
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
椎野 顕彦 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 准教授 (50215935)
横井 俊浩 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20573182)
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Keywords | 未破裂脳動脈瘤 / 動物モデル / 薬物治療 / MR画像 / 分子イメージング |
Research Abstract |
近年の脳ドック普及や画像診断の発達により未破裂脳動脈瘤の症例が急増している。各脳動脈瘤の破裂の確率を外科治療前に予測することは困難で、非外科的治療は皆無であり、また破裂を予防回避するシステムは構築されていない。従来の研究では、脳動脈瘤誘発処置後に一定の期間をおき動物を安楽死させ、遺伝子、蛋白発現、組織学的変化を検討してきた。本研究の目的は、我々の高率に脳動脈瘤を発症するモデル動物(Hashimoto N et al Surg Neurol 10:3-8,1978;Hashimoto N et al J Neurosurg 67:903-905,1987;Morimoto M et al Stroke 33:1911-1915,2002)を用い、脳動脈瘤発生増大破裂に至る過程を生体分子イメージングを用い明らかにすること、脳動脈瘤発生増大破裂予測システムを構築することである。脳動脈瘤の発生増大破裂に至る経過を生体で追跡するために、高率に破裂する脳動脈瘤モデルを確立し、頭蓋内脳動脈瘤の形態変化、増大を核磁気共鳴装置を用いて追跡し、脳動脈瘤壁における細胞分子の動態を分子イメージングを用いて追跡する。我々は、先に高率に未破裂脳動脈瘤を発症するモデル動物をサル、ラット、マウスにおいて確立した。同モデルでは脳動脈瘤は高率に安定して誘発され、その破裂率は数%である。現状のモデルにさらに血行力学的ストレス増加、炎症反応亢進などにより破裂率を上昇させることを検討する。具体的には、全身血圧をさらに上昇させるためアンギオテンシン持続腹腔内投与、局所的ストレス増大のため両側頚動脈閉塞、炎症反応惹起のためリポポリサッカライド持続腹腔内投与を考えている。動物用マイクCTまたは7テスラMRを用いて定期的に脳動脈瘤の形状変化やくも膜下出血発症の有無を検出する。本年度は、ラット、サルにおいてMR撮像条件の設定を行い、至適条件の設定に成功した。次年度では、ラット、サルで脳動脈瘤モデルを作成し、我々の先行研究で明らかとなった脳動脈瘤発生増大に関わる因子、上記くも膜下出血モデルの解析により証明された因子につき、破裂と深く関与する因子が見出せた場合、それらが分子マーカーとなりうるかを画像によるイメージングにより解析する予定である。本研究では超高磁場(7テスラ)動物実験用MR装置(Varian社製Unity INOVA)を用い、ラット、サルにおける微小脳動脈瘤の画像追跡と分子マーカーの発現変化を検討し、脳動脈瘤が発生増大破裂する過程を1つの生体を用いて追跡し、脳動脈瘤の各段階における画像変化、分子イメージング変化を非侵襲的に捉えることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サルのMRA撮像条件設定に時間かかかった。また、ラット脳動脈瘤破裂モデルの作成条件が一定せず、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
動物モデル作成人員確保が必要であり、研究生を応募予定である。
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