2011 Fiscal Year Annual Research Report
視床下核刺激によるパーキンソン病モデル動物基底核回路の再構成
Project/Area Number |
22659264
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐治 眞理 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (50114179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝山 容子 北里大学, 医学部, 講師 (60265593)
佐藤 澄人 北里大学, 医学部, 助教 (40266052)
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Keywords | 片側パーキンソン病モデ / 深部脳刺激(DBS) / 視床下核(STN) / 運動症状改善効果 / NMDA受容体NR2Bアンタゴニスト / 基底核回路 |
Research Abstract |
研究目的:視床下核刺激(STN-DBS)はSTN周辺でのLTP誘導に基づきパーキンソン病(PD)基底核回路を長期再構成できるとのアイデアを検証する目的で、LTP誘導強化作用のあるNMDA受容体サブユニットNR2Bアンタゴニストが、STN-DBSによるPD運動症状改善後効果を増強し、かつ長期固定化できるかどうかを検討する。 研究成果:研究実施計画の第II段階であるNMDA-RサブユニットNR2Bのアンタゴニスト(ifenprodil)がSTN-DBSによるPD運動症状改善効果を増強するかどうかの検討に先立って、今年度はifenprodil単独投与がPD症状改善効果を示すかどうかをシリンダーテストを用いて検討した。その結果、片側PDラットにおいて、ifenprodilは単独では運動症状改善効果を全く示さないが、L-DOPAとの併用投与ではL-DOPAのもつ症状(協調運動障害)改善効果を増強する著しい相乗作用をもつことが明らかになった。 成果の意義:この研究成果は、1)PDモデルのNMDA受容体機能異常(de-regurated function)に起因する運動障害の改善は、NR2Bアンタゴニスト単独では起こらず線条体ドーパミン受容体(D1)活性化とのカップリングを介して起こることを示すとともに、2)STN-DBSの症状改善機序にもNR2BアンタゴニスムとD1アゴニスムの同時作用を介して正常化される複数のPD病動物基底核回路の機能障害が含まれていることを示唆している。この結果から、L-DOPA慢性投与により発症するdyskinesiasの改善にもSTN-DBSとNR2Bアンタゴニスト投与との併用が副作用が少なく有効であるとの今後の治療法開発の方向性が示された。
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