2010 Fiscal Year Annual Research Report
Gαq蛋白シグナルの骨組織における選択的制御による新規骨形成促進薬の開発
Project/Area Number |
22659267
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10361495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30456107)
三浦 俊樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20376479)
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Keywords | 細胞・組織 / 骨・軟骨代謝 / 副甲状腺ホルモン / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
本研究では、PTHによる骨形成促進作用を減弱させるGαqシグナルに対して、抑制効果が示唆されているRGS-2の発現調節による骨芽細胞分化への作用を検討し、同時に天然低分子化合物ライブラリーを用いてRGS-2以外にGαqシグナルを選択的に抑制する物質のスクリーニングを行い、Gαq蛋白シグナルの選択的制御を応用した、新規の骨形成促進作用を持つ骨粗鬆症治療薬の開発を目指す。22年度では、RGS-2によるGαqシグナルの抑制効果が骨芽細胞で見られるか検討し、その効果による骨芽細胞分化への検討を行った。骨芽細胞前駆細胞株であるMC3T3-E1細胞とマウス胎児頭蓋骨由来の初代骨芽細胞を用いて、RGS-2のアデノウィルスを作製した後、遺伝子導入による強制発現させた。その後、各細胞におけるGαsおよびGαqシグナルの活性を、Ca活性およびcAMPの蓄積を、ELISAを用いて測定したところ、PTH刺激後のcAMPの蓄積は両者で違いはなかったが、PTH刺激による細胞内Ca蓄積はRGS-2強制発現により有意に減少した。MC3T3-E1細胞のRGS-2安定発現細胞株を樹立し、その細胞を1-4週間、骨芽細胞分化誘導培養液を用いて培養し、骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発現解析、ALP染色やVon Kossa染色による基質産生の評価を行ったところ、PTH間欠投与により、分化増強効果は有意に上昇していた。 以上より、骨芽細胞において、RGS-2によりPTH下流に存在する骨形成抑制効果を持つGαqシグナルが有意に抑制されることが確認され、またRGS-2を強制発現させることで、PTHの骨形成促進作用を増強させることが確認された。次年度より、我々の持つ天然低分子化合物ライブラリーより、Gαqシグナルの抑制効果のある薬剤のスクリーニングを行う。Gαqシグナルの下流ではPLCを介してPKCが活性化され、一方、PTHのメインパスウェイであるGαsシグナルの活性化によりcAMPが蓄積される。PKCの活性およびcAMPの蓄積は、ELISAを用いて網羅的に測定できるPKC assay-kit(Invitrogen社製)、cAMP assay-kit(Amersham Bioscience社製)を用いることで一度に大量のサンプルを用いて計測する予定である。
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Research Products
(1 results)