2010 Fiscal Year Annual Research Report
SOX9発現量増加に注目した軟骨細胞脱分化防止法開発ー軟骨細胞移植治療の改善ー
Project/Area Number |
22659269
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40291174)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60378198)
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Keywords | ヒト軟骨細胞株 / SOX9 / Runx2 |
Research Abstract |
(1) 化合物スクリーニングの進展 ヒト軟骨細胞株HCS2/8を用いてスクリーニングを行い、SOX9発現量増加を確認した2種類の候補化合物X、Yを同定した。ヒト軟骨細胞株を購入し、候補化合物X,Yを添加して細胞培養を行い、定期的に細胞を回収、RNAを抽出後SOX9,II型コラーゲン、プロテオグリカンなどの発現量変化を観察した。SOX9の発現量増加は確認できたが、当初目的である軟骨細胞の平面培養系における脱分化抑制を確認することはできなかった。そこで現在は更にスクリーニング化合物を3000種類に拡大して、候補化合物を探索中である。一方、Runx2の発現については候補化合物a,b,cを選定し得た。これら化合物は同一の薬剤傾向を持ちクラスeffectと考えられた。候補化合物間にはこのRunx2発現量に増加に関して差異が見られた。最も強力な化合物を中心に検討を進め、ヒト骨芽細胞においてもRunx2の発現量増加から最終的にオステオカルシンのmRNA増加を確認している。また、骨髄幹細胞培養系においても添加により最終的にALP活性の増加を認めており、効果を確認することができた。現在特許申請に向けて準備中である。 (2) 化合物添加培養細胞の形質確認 SOX9発現増加を先に認めた候補化合物X, Yについては現在ATDC5を用いて軟骨細胞への分化誘導能増強の有無について検討中である。Runx2の発現増強に関わる候補化合物a, b, cについてはその機序を現在解析中である。更に応用研究としていわゆるosteo conductive mediumを用いて単層培養した骨髄幹細胞に候補化合物を作用させて更に効率よく骨芽細胞作り出す実験系を開始した。この骨芽細胞とPlatelet rich Plasma(PRP gel)を使用した3次元培養にて、長期間培養して誘導細胞の安定性(安全性)と基質合成を確認しつつある。これらは動物実験を行う前段階として計画している。
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Research Products
(6 results)