2011 Fiscal Year Annual Research Report
薬効スクリーニング法によるOA治療薬の開発-SOX9を活性化する薬剤の同定-
Project/Area Number |
22659270
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 浩史 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (60566975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40291174)
|
Keywords | SOX9遺伝子 / 薬効スクリーニング / 軟骨細胞 / 軟骨再生 / オフラベル治療薬 / 細胞培養 / ルシフェラーゼ / プロモーター |
Research Abstract |
SOX9遺伝子は軟骨分化におけるマスター遺伝子であり、軟骨基質の形質維持に極めて重要である。SOX9の発現を促進することにより、軟骨変性の防止あるいは変性軟骨の修復が期待できる。SOX9遺伝子のプロモーター領域をルシフェラーゼ・レポーターベクターに挿入し、これをヒト軟骨肉腫細胞株HCS2/8にトランスフェクションした。この細胞株に新たに購入した1,184種類のスクリーニング用薬剤(Prestwick Chemical)を添加し、デュアル・ルシフェラーゼアッセイを行った結果、1次スクリーニングで67薬剤、2次スクリーニングで6剤に絞り、さらに濃度依存性を検討した。その結果、2つの薬剤XおよびYが濃度依存性にルシフェラーゼ活性を上昇させた。続いて、薬剤XおよびYを薬剤濃度10μMでHCS2/8に添加し24時間後に全RNAを抽出し、定量的RT-PCR法にてSOX9のmRNA発現量を検討した結果、両薬剤ともmRNA発現量が約1.4倍上昇していた。薬剤Xは高濃度(50μM)でさらにmRNA発現量が上昇した。 次に、前駆軟骨細胞株ATDC株にインスリンを添加しながら培養することにより、軟骨多段階分化モデルを構築した。SOX9を発現する前肥大軟骨細胞に分化した時点で、上述と同様に薬剤Xを添加し、24時間後に全RNAを抽出し、定量的RT-PCR法にてSOX9のmRNA発現量を検討した。結果、薬剤濃度10~50μMの範囲で濃度依存性にSOX9のmRNA発現量が上昇した。現在、SOX9の標的となるII型コラーゲンおよびアグリカンのmRNA発現量を測定し、さらに薬剤添加後24時間後の細胞を溶解し、細胞内のタンパクを抽出してE-lisa法およびWestern bltting法によりSOX9、II型コラーゲンおよびアグリカンのタンパクレベルでの発現を解析している。
|
Research Products
(7 results)