2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659274
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
出家 正隆 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (30363063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 英樹 広島大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (10438111)
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Keywords | 腫瘍 / 磁性 / 血管閉塞 |
Research Abstract |
血管閉塞に必要十分量のマイクロビーズ-赤血球結合体を得るために,反応させるビーズ量と赤血球量の検討を行った。その結果,血管閉塞に十分な量である,約2.4×10^8個のビーズ-赤血球結合体を得ることが可能なビーズ量,赤血球量の条件が明らかとなった。さらに,腫瘍への血流阻害の前段階として,ビーズ-赤血球結合体を磁力によって集積することで,ラットの主幹動脈を閉塞し血流を遮断することが可能であることを確認した。閉塞する動脈として,脳表在を走行する中大脳動脈を選択し,脳梗塞が生じていることで,血管の閉塞を確認した。具体的には,ラット左側頭部の中大脳動脈上に磁石を設置し,左内頸動脈からマイクロビーズと結合させた赤血球を投与することで,赤血球を中大脳動脈に集積し,同動脈を閉塞した。24時間後にラットを屠殺し,摘出した脳にTTC染色を施すことで脳梗塞の有無を確認した。中大脳動脈灌流領域に脳梗塞が観察され,中大脳動脈を閉塞可能であることが確認できた。この結果より,マイクロビーズを結合させた赤血球を磁力を用いることで集積し,主幹動脈を閉塞可能であることが明らかとなった。今回実施した血管閉塞法では,目的とした動脈以外にも血管閉塞が生じたことが示唆されたため,目的とする血管のみを閉塞可能な条件の検討が今後必要となる。来年度はこの条件について検討を重ね,目的動脈のみを閉塞可能な手法を確立したいと考える。この確立された血管閉塞法を用いて,腫瘍細胞への栄養血管を閉塞し,腫瘍を壊死へと誘導する新しい抗腫瘍治療の開発につなげる予定である。
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