2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659278
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
淺原 弘嗣 独立行政法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (70294460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味八木 茂 独立行政法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 研究員 (10392490)
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Keywords | 関節病学 / Mohawk / 腱 / 靭帯 |
Research Abstract |
腱形成におけるMkxの役割について個体レベルでの解析を行うため、Mkx遺伝子のExon2をVenusに置き換わるように遺伝子を改変したMkx遺伝子欠損マウスを作製した。膝蓋腱、尾腱を、12週齢のMkx遺伝子欠損マウスと野生型で比較したところ、腱組織の低形成が観察された。以上の結果より、Mkxが腱形成に関わることが示唆された。これらサンプルを用いて、H.E.染色およびアザン染色を腱・靱帯が発生する胎生期E14.5日より生体まで、経時的に組織学的解析を行い、どの時点で、腱・靱帯の異常が見られるかを明らかにする。同時に、野生型を用いたin situハイブリダイゼーションおよび免疫染色、ヘテロマウスを用いたGFP発現よりMkxの発現を発生時期、生後にわたって解析した。 腱・靱帯組織の形成においては、結合組織の構成を電子顕微鏡によって解析し、腱の低形成のパターンがMkx-KOマウスにおいて観察されたことから、Mkxが腱の発生後期に重要な機能を持つことが示唆された。 また、これらKOマウスを用いて生理学的な靱帯・腱のフェノタイプ解析として、張力の測定を行い、そのぜい弱性を明らかにした。 腱・靱帯の細胞外マトリックスの構成成分で、腱の粘弾性に関与している、Decorin、Aggrecan、Biglycan、Lumican、Fibromodulinの発現をMkx-KOマウスで解析し、Mkxの表現系を分子レベルで検討した。これらの成果は、間葉系細胞からの腱前駆細胞への運命決定、腱への分化機構の解明に繋がり、腱損傷やエーラスダンロス症候群などの治療・診断の開発に重要な知見を提示する。
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