2010 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺の炎症関連発癌と遺伝子変異誘導酵素AIDの上皮内異所性発現
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22659287
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
江石 義信 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70151959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 二朗 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 准教授 (80280973)
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Keywords | 前立腺癌 / 前立腺肥大 / Propiobibacterium acnes / 細胞内感染 / NF-κB / STAT3 / AID / 発癌 |
Research Abstract |
前立腺組織におけるPropionibacterium acnes(アクネ菌)を検出する抗体は完成したが、AIDをパラフィン組織切片にて検出する抗体の作成にはいまだ成功していない。アクネ菌の細胞内感染は転写因子であるNF-κBを誘導する。また、NF-κBはIL-6の活性化を通してSTAT3の活性化を誘導し、NF-κBとSTAT3は共同して癌遺伝子の活性化、がん抑制遺伝子の抑制などの機序により癌化に関連する。本年度は、本学において病理学的に前立腺肥大と診断された12症例、および前立腺癌と診断された24症例の全摘出された前立腺手術材料のホルマリン固定組織の割面標本を用いて免疫染色を行った。その結果、前立腺肥大群に比べて前立腺癌群においてNF-κBやSTAT3が高率に発現していることから、非癌部を含めた前立腺全体に転写因子が誘導されることが前立腺癌発生の一因となっている可能性が示唆された。またアクネ菌とNF-κBもしくはSTAT3がともに陽性である腺管の割合も癌症例において著しく高く、アクネ菌陽性像とNF-κBもしくはSTAT3の陽性像に統計的に関連性が認められる割合が癌群において高いことから、臨床例においてもアクネ菌の細胞内感染がNF-κBおよびSTAT3の活性化に関連している可能性がでてきた。また、アクネ菌陽性腺管とSTAT3発現とに相関を有する症例の大部分は、本菌陽性腺管とNF-κB発現とも相関がみられ、連続切片においてもNF-κBとSTAT3発現腺管が一致することから、NF-κBの活性化がSTAT3の活性化を誘導していることが示唆された。次年度は、パラッフィン切片にて明確な陽性像を検出しうるAID抗体を完成させ、本年度に検出した前立腺組織におけるアクネ菌潜伏感染と炎症性転写因子の活性化およびAID酵素の発現という発癌関連因子との直接的な関連性を証明することにより、アクネ菌感染と前立腺発癌の関係を立証したい。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Predictive value of CD24 and CD44 for neoadjuvant chemotherapy response and prognosis in primary breast cancer patients2010
Author(s)
Horiguchi K, Toi M, Horiguchi S, Sugimoto M, Naito Y, Hayashi Y, Ueno T, Ohno S, Funata N, Kuroi K, Tomita M, Eishi Y.
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Journal Title
J Med Dent Sci
Volume: 57(2)
Pages: 165-75
Peer Reviewed
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[Journal Article] SIRT1 Regulates Thyroid-Stimulating Hormone Release by Enhancing PIP5Kgamma Activity through Deacetylation of Specific Lysine Residuesin Mammals2010
Author(s)
Akieda-Asai S, Zaima N, Ikegami K, Kahyo T, Yao I, Hatanaka T, lemura S, Sugiyama R, Yokozeki T, Eishi Y, Koike M, Ikeda K, Chiba T, Yamaza H, Shimokawa I, Song SY, Matsuno A, Mizutani A, Sawabe M, Chao MV, Tanaka M, Kanaho Y, Natsume T, Sugimura H, Date Y, McBurney MW, Guarente L, Setou M.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 5(7)
Pages: e11755
Peer Reviewed
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[Journal Article] 肝細胞癌の術前診断にて切除したneuroendocrine carcinoma肝転移の1例2010
Author(s)
佐藤公太, 工藤篤, 小川康介, 岡島千怜, 入江工, 野口典男, 中村典明, 田中真二, 有井滋樹, 小林宏寿, 杉原健一, 江石義信.
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Journal Title
Liver Cancer
Volume: 16(1)
Pages: 66-76
Peer Reviewed
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