2011 Fiscal Year Annual Research Report
腎・尿管の器官・組織形成異常の形成機構の解明と治療・予防法の開発
Project/Area Number |
22659289
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 浩 島根大学, 医学部, 教授 (20160533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 暁洋 島根大学, 医学部, 助教 (70346378)
|
Keywords | 尿管 / 腎臓 / 子宮外発生法 / マウス胚 / 収斂伸長 / interkinetic nuclear migration / Wnt5a |
Research Abstract |
腎の位置・形態異常に関する研究について、昨年度までに引き続き、bromo-deoxyuridineにより細胞を標識して追跡し、尿管上皮細胞の移動について詳細に解析した。その結果、尿管の伸長には、胎生11日ごろには収斂伸長(convergent extension)のメカニズムが関わること、胎生12日以降には、部位特異的な細胞増殖の差も伸長に関わることを確認し、さらに尿管上皮は、神経幹細胞で知られている細胞周期と同期したinterkinetic nuclear migrationにより細胞増殖をしている証拠が得られた。この所見について多次元尺度法を用いて解析したところ、周期性が見られたが、完全なサイクルを確認できなかったため、追加実験が必要である。また子宮外発生法により形態形成の調節因子であるWnt5aをマウス胎児尿管周囲に注入し、腎臓の位置・形態変化における効果を検証する実験も継続した。高精度の分子の供与を受けて、胎生11日に、一側の腎周囲結合組織に分子を注入し、腎が上昇する12日以降に胎児を得る実験を行っている。 ネフロン数の変異に関する研究についても、引き続き培養実験の報告に基づいて投与量および投与時期などの条件を変えながら、順次注入実験を進めている。ネフロン数の増減について一定の所見が蓄積しつつあるが、未だ明確な結論を得るに至っておらず、さらに詳細な条件の検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験系・方法論の確立が一つの目標であり、これについては既に達成している。それを用いた研究成果については、未だ確定的な段階に至っていないが、条件設定を順次続けており、全体としておおむね計画通り、十長に進展していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、実験系・方法論は確立しており、また高精度の分子の供与を受けることが可能となったので、継続して実験を続けることで、期間内に腎臓の発生に関する分子の機能についても一定解明できることが期待できる。マンパワーが不足気味であったが、新入院生が参加することになり、その点でも補強できた。
|
Research Products
(22 results)