2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオン輸送体を分子標的としたホルモン不応性前立腺癌新規治療薬の開発
Project/Area Number |
22659290
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90240952)
本郷 文弥 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80291798)
木村 泰典 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (20398374)
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00127036)
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Keywords | 前立腺癌 / 細胞増殖 / クロライドイオン / KCC / N-ethylmaleimide |
Research Abstract |
アンドロゲン除去または通常のウシ胎児血清を添加した培養液中で、アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株およびアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株を培養した後、低Cl-培養液に置換し、細胞数を計測した。通常の培地で培養した場合の細胞数と比較し、細胞内Cl-濃度([Cl-]_i)を低下させた際に各細胞間で増殖抑制効果が異なるかを検討した。また、蛍光顕微鏡観察やCell Analyzer Quantaによる細胞内Cl-濃度の測定法を確立し、前立腺癌細胞内のCl-濃度の評価を可能とした。アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株および非依存性前立腺癌細胞株にN-ethylmaleimide(NEM)を処理した際に、KCC(K+/Cl-cotransporter)の活性化が引き起こされるかを確認した。通常の培養液およびNEMを含んだ培養液中で各細胞を24時間培養した後に、K+を^<86>Rbで置換した培養液中で12時間培養。その後、^<86>Rbを含まない培養液に置換し、経時的に^<86>Rb放射活性を測定した。KCC阻害剤であるDIOAで前処理し同様の測定を行い、NEMの効果がKCCを介したものであることを確認した。通常の培養液またはNEMを含んだ培養液中でアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株およびアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株をそれぞれ24時間培養した後に[Cl-]_iを測定し、NEMを処理した際に[Cl-]_iの減少が引き起こされることを確認した。また、同条件下において細胞数を計測し、NEMを処理した際の各細胞の増殖に対する影響を確認した。NEMがKCC活性を亢進させたことによる[Cl-]_iの低下が、細胞増殖抑制を引き起こすことが確認された。
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