2011 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌幹細胞は卵巣癌細胞の「iPS化」により生じるか
Project/Area Number |
22659300
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小阪 謙三 京都大学, 医学研究科, 講師 (90359828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 謙臣 京都大学, 医学研究科, 助教 (20452336)
濱西 潤三 京都大学, 医学研究科, 助教 (80378736)
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Keywords | 卵巣癌 / iPS / エピジェネティクス / 癌幹細胞 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
卵巣癌は、早期より腹腔内転移という形で進行癌となる、婦人科癌のうち最も予後不良で治療法のさらなる開発を必要とする癌である。また、発生母地も、上皮性、胚細胞性など多様で生物学的特性も異なり、自ずから治療法も異なるはずである。特に、上皮性卵巣癌では、一時的には化学療法が著効し肉眼的病変が消失しても、一定の時間経過とともに再発し化学療法抵抗性となることが比較的多い。また、腹腔内転移の制御も大きなテーマである。これらの問題を根本的に解決するためには、卵巣癌の発生・転移のメカニズムについてのさらなる基礎的研究、また卵巣癌幹細胞の探索が不可欠であると考えられる。 このような視点から、われわれは既に、良く知られている上皮性卵巣癌に有効なプラチナ製剤に耐性を持つ卵巣明細胞腺癌に対し、sorafenibが有効であることを見出した。 今回、われわれは癌の多分化能に着目して研究を行い、卵巣未熟奇形腫の未分化な部分にiPS細胞作製に必要な山中4因子のひとつであるOCT4が発現することを見出した。 このように多分化能を発揮させる遺伝子の発現が卵巣癌の発生や幹細胞の同定、化学療法抵抗性の獲得に関連している可能性があると考えられるため、この仮説をさらに発展させ、卵巣癌細胞株に山中4因子を発現させることによる変化を検討し、卵巣癌の発生、幹細胞の同定、化学療法抵抗性獲得のメカニズムを解き明かす鍵を見出すべく研究を継続中である。 また、卵巣癌の転移に関しては、TGF-b経路が重要な役割を果たしている可能性を示した。
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Research Products
(14 results)