2011 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌の薬剤獲得耐性における「進化」を標的とした治療法の開発
Project/Area Number |
22659301
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 彩子 京都大学, 医学研究科, 助教 (90378696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 謙臣 京都大学, 医学研究科, 助教 (20452336)
小阪 謙三 京都大学, 医学研究科, 講師 (90359828)
小西 郁生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90192062)
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Keywords | 卵巣癌 / 化学療法耐性 |
Research Abstract |
1)化学療法耐性の卵巣明細胞腺癌に高発現しているHNF1βは、酸化ストレス耐性をもたらしていることが明らかになった。シスプラチンをはじめとする化学療法剤は癌細胞内の酸化ストレスを惹起するため、HNF1βによる酸化ストレス耐性が卵巣明細胞腺癌の化学療法耐性に寄与している可能性が示唆された。 2)卵巣漿液性腺癌の発現マイクロアレイ解析によって、化学療法に耐性で予後不良の癌では、免疫反応が乏しく、その背景にはMHC class1分子の欠如があることが明らかになった。 3)卵巣癌に対して化学療法を行う前と後のマイクロアレイデータの比較によって、化学療法によって免疫反応が生じることは、化学療法への感受性と関連していることが明らかとなった。 4)卵巣癌において、CD1,CD4,CD8,CD57,FOXP3,PD1がそれぞれ陽性のリンパ球数、さらに、腫瘍細胞由来の免疫抑制分子であるPD-L1,PD-L2,COX-1,COX-2,TGF-β1の発現を免療組織染色で調べて、hierarchical clusteringで分類したところ、CD4陽性リンパ球および、CD8陽性リンパ球が腫瘍内に浸潤している卵巣癌では、もっとも予後がよく、化学療法に感受性を示し、その他のタイプでは免疫抑制分子のいずれかの高発現を認めた。したがって、卵巣癌において、腫瘍細胞由来の免疫抑制分子が化学療法耐性をもたらしており、同シグナルをブロックすることで予後が改善すると期待される。
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Research Products
(5 results)