2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネルの機能増強型点変異による前庭・聴覚機能への影響
Project/Area Number |
22659307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島田 昌一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20216063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木田 和弘 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90324920)
石田 雄介 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30381809)
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Keywords | 内耳 / 有毛細胞 / イオンチャネル / 点変異 / トーンスジェニックマウス |
Research Abstract |
酸感受性イオンチャネル(ASIC)遺伝子ファミリーは脳や感覚器に発現し多様な機能に関与している。ASIC遺伝子ファミリーの一部は内耳にも発現している。我々はこの内耳に発現するASIC遺伝子ファミリーに様々な点変異を人工的に導入することにより、機能増強型(gain of function)のチャネルを作り出すことに成功した。そこで本研究ではASICの機能増強型の点変異遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成することにより、内耳の前庭・聴覚機能にどの様な影響を及ぼすかを解析する。 ASIC2a、ASIC1a、ASIC3の第2膜貫通部位に共通に存在するグリシン残基をPCR法を用いて様々なアミノ酸に置換し、それらのミュータントクローンからin vitro transcriptionによりキャッピングしたcRNAを作成し、アフリカツメガエル卵母細胞に微量注入し発現させて、ボルテージクランプ法により点変異イオンチャネルの特性を解析した。これらの結果を基に、ミューテーションの種類によってどの程度の陽イオンのリークがこのイオンチャネルを介して生じるかを分析し、機能増強型の変化をきたす点変異を選別した。 特にASIC2aの430番目のグリシン残基を他のアミノ酸に置換するとチャネルの特性が様々に変わり、フェニルアラニンに置換した場合は、常にチャネルが開いて電流が流れた。この変異イオンチャネルを培養細胞に強制発現させると、細胞死を引き起こした。そこで、この点変異陽イオンチャネルの上流にこの遺伝子自身のエンハンサープロモーター領域を含んだコンストラクトを構築し、トランスジェニックマウスを作成した。
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