2012 Fiscal Year Annual Research Report
虚血機序に基づく内耳障害の治療戦略ーナノカプセル型人工酸素運搬体の検討
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22659308
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
暁 清文 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00108383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽藤 直人 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60284410)
白馬 伸洋 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70304623)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 突発性難聴 / 内耳虚血 / 人工赤血球 / h-LEH / l-LEH / スナネズミ / 有毛細胞 / 活性酸素 |
Research Abstract |
1.研究の目的:一過性内耳虚血を惹起した動物モデルを用いて、ナノカプセル型人工酸素運搬体LEHの酸素親和性と障害防御効果を検証し、その臨床応用の可能性を明らかにする。 2.研究成果:虚血前のABR閾値を0として、h-LEH, l-LEH,同種赤血球、生食群における一過性虚血後1、4、7日目のABR閾値の変化を図3に示す。8, 16,32kHzのすべての周波数において赤血球群のABR閾値は生食群との比較で差は見られなかったが、h-LEHやl-LEH投与群では閾値上昇は有意に抑制された。h-LEHとl-LEHとの比較では、前者の方が後者よりもABR閾値上昇を抑制する効果は大きかった。組織学的変化の指標には一過性内耳虚血で典型的に見られる内有毛細胞の脱落率を用いた。虚血7日後におけるh-LEH、l-LEH、同種赤血球、生食群の代表例の内耳所見を図4に示す。生食群と赤血球群では内有毛細胞の核消失や聴毛の脱落が散見された。これに比べ、h-LEHやl-LEH投与群では内有毛細胞の脱落は少なかった。内有毛細胞の脱落率を計測したところ、赤血球群は15.0+2.2%、生食群は14.5+2.5%であった。一方、h-LEHやl-LEHを投与した郡では脱落率は極めて少なく、h-LEH群で3.7+1.2%、l-LEH群では6.5+1.2%であった。このように両者を比較すると、h-LEH群の方が有意に脱落抑制効果は強力であった。 以上の結果から、一過性内耳虚血による障害はh-LEH、l-LEH、同種赤血球、生食の順で軽微であり、LEH, とりわけh-LEHは有力な突発性難聴の治療薬になりうる可能性が示された。なお、h-LEH、l-LEHの投与によると思われる副作用は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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