2010 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性眼合併症におけるIFNG-PAI-1シグナル
Project/Area Number |
22659313
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村上 晶 順天堂大学, 医学部, 教授 (90157743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 彰 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00312348)
海老原 伸行 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20255699)
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Keywords | 白内障 / 緑内障 / ステロイド / PAI-1 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
アトピー眼合併症の遺伝子多型研究の結果と最近の基礎研究の成果から、インターフェロン-γ(IFNG)シグナルとその下流にあって組織の繊維化を促進するplasminogen activator inhibitor type-1(PAI-1)分子が前房水中にあってアトピー白内障およびアトピー関連緑内障の発症に関与しているとの仮説を検証することを目的に研究を進めている。平成22年度はアトピー白内障患者10名から臨床サンプルを収集し、PAI-1発現をリアルタイムPCR法で検討した。またアトピー白内障患者の病変部位から採取した組織サンプルを用い免疫組織染色と免疫電顕法によりアトピー白内障病変部位にPAI-1タンパクが沈着していることを示した。また、PAI-1分子が水晶体上皮の上皮間葉移行の足場になっている可能性を示唆する形態学的な所見を得たため、同部位での上皮間葉移行のマーカーαsmooth muscle actinタンパクの発現を検討したところ、発現の亢進を認めた。さらに培養水晶体上皮細胞にPAI-1siRNAを加えてPAI-1分子の発現を抑制するとTGF-β刺激による上皮間葉移行のマーカーαsmooth muscle actin遺伝子の発現を抑制することを発見した。これらの結果から、アトピー白内障の病態には組織線維化を促進するPAI-1分子を足場に水晶体上皮細胞が上皮間葉移行を生ずることによって、特徴的なヒトデ型の水晶体前嚢混濁を呈することが強く示唆された。
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Research Products
(4 results)