2012 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉移行から見た小児固形腫瘍の浸潤・転移機構の解明
Project/Area Number |
22659317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小室 広昭 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80296128)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 上皮間葉移行 / 浸潤転移 / 神経芽腫 / MYCN / 予後 |
Research Abstract |
上皮-間葉移行(EMT)は上皮細胞が上皮の性質を失い間葉細胞に変化する現象で、近年、癌の浸潤・転移機構に大きく関与していることが明らかになってきた。本研究では、神経芽腫におけるEMT関連遺伝子の発現レベルを調べ、腫瘍の進展とEMTとの関係を明らかにすることを目的として研究を行った。神経芽腫96症例についてEMT関連遺伝子の発現量をリアルタイムRT-PCR法を用いて比較し、high stage(stage 3, 4)とlow stage(stage 1, 2)での比較、stage 1, 2とstage 4Sにおける比較、MYCN遺伝子の増幅の有無による比較を検討した。さらには、それぞれの遺伝子発現の高低による生存分析を行った。次に、細胞株を用いてinvasion assayを行い、神経芽腫における細胞浸潤とEMT関連遺伝子発現の関係について検討した。結果、High stageとlow stage神経芽腫の比較ではKRT19の発現がhigh stageで有意に低いことが判明した。Stage 1, 2とstage 4Sとの比較ではKRT19の発現がstage 4Sで有意に低下していた。KRT19、ERBB3がMYCN遺伝子増幅症例で有意に低発現だったのに対し、TCF3、TWIST1はMYCN遺伝子増幅症例で有意に高発現であった。生存分析を行った結果、KRT19、ERBB3低発現群では予後が不良であることが判明した。細胞株を用いたin vitro実験では、浸潤率の高い細胞株でKRT19およびERBB3が有意に低発現であることが判明した。本研究により、KRT19の低発現は神経芽腫の浸潤・転移と関連があり、さらには予後良好な限局した腫瘍(stage1, 2)における転移機構にも関与している可能性が示された。ERBB3の低発現もまた、神経芽腫の進展に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)