2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管の可視化を用いたリンパ浮腫画像診断法の開発
Project/Area Number |
22659323
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二宮 善文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70126241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 俊孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50194262)
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Keywords | 蛍光色素 / LYVE1 / モノクローナル抗体 / リポソーム / リンパ管造影 |
Research Abstract |
1.LYVE-1抗体トランスジェニックマウス修飾蛍光リポソームの作製 蛍光色素(Alexa488)を内包した抗LYVE1モノクローナル抗体のリポソームを作製した。比較対照用には未修飾リポソーム、アイソタイプ相同IgG修飾リポソームを同時に作製した。サイズ、表面ラベル量、内包蛍光量の同等の標品が作製された。なお、抗体は市販品からin vivo用には抗マウスLYVE1(MAB2125,R&D社)、in vitro用には抗ヒトLYVE1(MAB20891,R&D社)を使用した。 2.LYVE-1抗体修飾蛍光リポソームを用いたリンパ管造影 まず、抗ヒトLYVE-1抗体リポソームが対照リポソームと比べて特異的にヒト皮膚微小リンパ管内皮細胞(HMVEC-dLy)に結合することを培養細胞実験により確認した。続いて、抗マウスLYVE-1抗体リポソームと対照リポソームをマウス足裏の末梢に皮下注射し(30uL)、リンパ管の流れ方を経時的に落射蛍光実体顕微鏡(OLYMPUS SZX12)で観察した。既存のリンパ管造影剤としてはFITCラベルdextran(MW=2000K)を使用した。 リポソーム3者の中で、抗ヒトLYVE-1抗体リポソームのみが中枢側の大腿部リンパ管を造影することができた。またその強度はFITCラベルdextranよりも優れていた。しかしながら、このマクロの観察において、in vivoレーザ走査型顕微鏡IV100(OLYMPUS)を用いて光強度の一定時間内の変化をモニターすることはできなかった。リンパ管の拍動性・強度がモニターできるか検証点が残った。したがって、リンパ浮腫モデルでのリンパ管造影は十分検証しきれていない。関連技術の開発として、電顕レベルでの観察用に、金コロイドを内包するリポソームを開発し論文化した。また、血管新生モデルに対して特異的に発現するベクターを構築し、虚血血管新生を緑色蛍光タンパクで可視化することに成功し論文化した。
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