2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659324
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
須永 中 自治医科大学, 医学部, 助教 (00406117)
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Keywords | ケロイド / マイクロアレイ / エピジェネティクス |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、倫理委員会の承認のもとにインフォームドコンセントを行った患者から、ケロイド・肥厚性瘢痕・正常瘢痕の検体を採取した。それらの切除検体から皮膚線維芽細胞を初代培養し、延べ50人分の線維芽細胞をストックすることができた。それらの中から、典型的な胸部ケロイド由来の皮膚線維芽細胞3検体を抽出し、脱メチル化酵素5-aza-dCとヒストンアセチル化酵素阻害剤Trichostatin Aにて処理することによって、遺伝子のエピジェネティックサイレンシングを解除した。薬剤処理群(5-aza-dC処理群、Trichostatin A処理群、両薬剤処理群)とコントロール群からそれぞれ抽出したRNAを用いてDNAマイクロアレイ解析を行うことにより、ケロイド線維芽細胞においてエピジェネティックサイレンシングにより発現抑制されていると考えられる遺伝子を抽出した。その結果、コントロール群と比べて5-aza-dC処理群において16倍以上発現が亢進する遺伝子を16種類同定することが出来た。これらの遺伝子の中には、ケロイドの病因・病態に深く関与しているものや、未だに発見されていないケロイドのバイオマーカーとなりうるものが含まれている可能性が高いと考えられた。現在、同定した遺伝子群について、ケロイド由来線維芽細胞特異的にエピジェネティックサイレンシングが起きているのかどうかの確認と、多検体における検証を継続して行っている。
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