2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659325
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊関 憲 山形大学, 医学部, 准教授 (70332921)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 低酸素脳症 / 生体ストレス / 脂質代謝 / KOマウス / 血球細胞 |
Research Abstract |
救急医療あるいは様々な外科的手術の後、生体侵襲の大きさが問題となる。その生体ストレスが病態の予後に大きな影響を与えることが少なくない。心肺蘇生患者において低酸素脳症が予後を左右する。申請者らは細胞内情報伝達機構に関する基礎研究に従事し、細胞内セカンドメッセンジャーであるジアシルグリセロール(DG)のリン酸化酵素DGキナーゼ(DGK)の分子多様性と生体臓器における遺伝子発現の多様性を明らかにしている。これまで、ラット脳の「一過性脳虚血・再還流モデル」および海馬スライスの「酸素・グルコース欠乏負荷実験(OGD)」において、10~20分間のストレス負荷後にDGKζ(ゼータ)が海馬ニューロンの核から細胞質へと移行し、その後アポトーシス様の細胞死に至る現象を報告してきた。 これまでの実験モデルに加えて、本年度は「低酸素ボックス負荷モデル」を用いて個体レベルの解析を行い、DGKζの細胞内局在を経時的に観察した。ζ型DGKはこれまでの虚血モデル実験と同様、一過性低酸素負荷(5%酸素、6分)の72時間後に、海馬神経細胞において核内から細胞質へ移行することが明らかとなった。この時、海馬領域では広範なTUNEL染色陽性を示すことから、アポトーシスのカスケードが作動していることが判明した。またこの時、DGKζがユビキチン・プロテアソーム系による分解を受けることも判明した。以上の実験結果より、一過性虚血や海馬スライスを用いた酸素・グルコース欠乏負荷と同様、個体の低酸素負荷においてもDGKζが核外に移行し分解されることが明らかとなり、この現象が様々な神経細胞ストレスにより起こる可能性を見出した。今後は、血球細胞における指標との相関をさらに詳細に解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)