2010 Fiscal Year Annual Research Report
舌下免疫療法の効果発現に至る口腔粘膜免疫システム特性の解明
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22659340
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神村 洋介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40549929)
岡野 光博 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60304359)
長谷 英徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70332997)
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Keywords | 免疫 / アレルギー / 舌下免疫療法 / 口腔粘膜 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
舌下免疫療法(Sublingual Immunotherapy, SLIT)は、舌下粘膜経由でアレルゲンを少量づつ投与していくことによる寛容誘法であるが、腸管粘膜経由抗原投与による経口免疫寛容と舌下粘膜樹状細胞による免疫寛容がどのように関わっているのか明確ではない.本年は、まず舌下粘膜経由で取り込まれた非感染性抗原に対する免疫応答について検討した.卵白アルブミン(OVA)(SLIT群)あるいはPBS(対照群)を舌下粘膜に6回/3週間前投与後に、OVA/アラム腹腔内投与で抗原感作し、さらに1週後に経鼻的OVAチャレンジを連続3日実施し、5日目の実験第45日目に評価した.SLIT群では、顕著なOVA特異的IgEの減少とIgG2aの減少が認められ、SLIT群でOVA特異的アレルギー応答の抑制が起こっているのが確認できた.SLIT直後実験第20日目の所属リンパ節では、総細胞数の増加、CD4^+T細胞におけるIFN_<-g>発現細胞比率の増加とIL_<-4>発現細胞比率の低下が認められ、SLITによりTh2からTh1への免疫偏向が起こっていることが示唆された.Th17の変動は認められなかった.舌下粘膜への抗原投与後の樹状細胞の動態を調べる目的で、緑色蛍光FITC塗布後の所属リンパ節における遊走樹状細胞を同定したところ、頬粘膜塗布と比較して舌下や口底粘膜投与後のFITC捕捉樹状細胞の増加が明らかに少なく、所属リンパ節総数の増加も低下していた.この理由が、唾液等によるFITCの希釈によるためなのか、同部粘膜樹状細胞の特性によるものなのか、局所粘膜樹状細胞の組織学的検索と共にSLIT後の所属リンパ節における抗原特異的免疫応答を検索していく予定である.
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Research Products
(2 results)