2011 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒分解反応を応用した接着性レジンのディボンディング
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22659352
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80253681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
添野 光洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50315256)
鎌田 幸治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60264256)
平 曜輔 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40226725)
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Keywords | ディボンディング / 光触媒分解効果 / チョーキング |
Research Abstract |
本研究は合着用セメントの接着力を任意に無力化させるディボンディングを目的としている。二酸化チタンに代表される光触媒半導体材料に紫外線を照射すると光励起状態を誘導し活性酸素を生じ、その強力な酸化作用で表面に存在する有機質を酸化分解蒸散することが可能である。紫外線を照射するだけで防汚効果をもたらすとして、工業界においてセルフクリーニング塗料等に実用化されている。しかしながら顕著な酸化作用故、時としてチョーキングと呼ばれる塗膜の劣化を引き起こすことがある。すなわち光触媒効果のために含有された酸化チタンが塗料表面の汚れだけでなく、塗料成分そのものを分解してしまい酸化チタンの粉末だけがチョーク状に残留する現象であるが、このチョーキングを逆手にとり、二酸化チタンを顔料として含むレジン材料に適用すると、紫外線照射のみでレジンの分解・崩壊が起こるのではないかというのが本研究の着想点である。実験では、紫外線透過性の極めて高い、厚さ1mmの石英ガラス板上にゾルゲル法を用いて二酸化チタンの薄膜をコーティングした。USHIO社製照射器を用い、コーティング面の裏側から10分間紫外線照射を行った。接触角計を用いて各試料の水接触角を計測した結果、コーティングなし/照射なし:40°、コーティングなし/照射あり:60°、コーティングあり/照射なし:54°、コーティングあり/照射あり:25°であり、二酸化チタンコーティングと紫外線照射によって光触媒活性が得られていることが確認された。これらを前年度の接着試験によって得られた接着強さと照らし合わせると、石英ガラスにコーティングされた二酸化チタンの薄膜に対してコーティング面の裏側から紫外線照射しても、二酸化チタン薄膜は光触媒活性を示し、これによってレジンの接着力が低下したと考えられる。以上の結果から、上記仮説に基づいたディボンディングシステムの実現性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的と研究計画にしたがって実験を行い、その結果得られたデータに基づいて順調に仮説の検証が行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にしたがって実験を行うとともに、これまでに得られた実験結果を振り返り、コントロール群のデータも整える。
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