2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659359
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西村 正宏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00294570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住田 吉慶 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50456654)
末廣 史雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40524781)
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Keywords | 歯肉幹細胞 / 骨再生 / 歯槽骨再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は歯肉中の骨分化能をもつ細胞を採取し、これを用いた歯槽骨再生医療のための基礎的知見を得ることである。本年度はヒト(3株)とF344ラットの歯肉から線維芽細胞を採取培養した。ヒトの歯肉線維芽細胞を最大5継代まで増殖させた細胞をCD29,CD74,CD90,CD146,CD166に対する抗体により標識し、FACSにて陽性率を解析した。その結果、ヒト歯肉の3株の線維芽細胞において陽性率は異なるが、CD29とCD90に強陽性細胞群と弱陽性細胞群の2群が存在することが示された。ヒト歯肉線維芽細胞は3株ともCD166弱陽性でCD74とCD146はほぼ陰性であった。これらの細胞を同様の抗体を用いてMACSによって分離したところ、CD29,CD90,CD166の陽性率は、FACSのそれよりも低かった。そして分離した細胞を培養継続し、コンフルエントに達した後に骨分化誘導培地で培養したところ、いずれの抗体陽性細胞群でも明らかな石灰化は認められなかった。以前の報告ではCD166陽性細胞群は石灰化が認められたため、この点についてはさらなる検討が必要である。同様にラットの歯肉線維芽細胞に対しても同様の抗体を用いてMACSによって分離し、分離した細胞を培養継続し、コンフルエントに達した後に骨分化誘導培地で培養したところ、CD74陽性細胞群で石灰化が認められた。ヒトあるいはラットの歯肉線維芽細胞を、5種類の抗体を指標として解析した結果、FACSでの陽性細胞率はMACSでの陽性率とは完全に一致しなかったが、CD74は高い骨分化能をもつ歯肉線維芽細胞を分取する良い指標となる可能性が示唆された。
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