2010 Fiscal Year Annual Research Report
microRNA阻害による放射線耐性遺伝子ICAM発現抑制による強化放射線治療法
Project/Area Number |
22659364
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小河原 克訓 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20372360)
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Keywords | micro RNA / 口腔癌 / 放射線耐性 / ICAM遺伝子 |
Research Abstract |
放射線治療は重要な癌治療法であるが、放射線に耐性を示す腫瘍にしばしば遭遇する。本研究においては、放射線に対する耐性を克服するとともに、低線量で十分な殺腫瘍効果が得られる強化療法を開発することを目的としている。 従来の研究で、私たちのグループは放射線耐性遺伝子を網羅的に検索して25種類の放射線耐性遺伝子候補を同定した。さらに、これらの候補遺伝子の中で、ICAM遺伝子は特に放射線耐性に強く関与していることをすでに報告している。本研究において、まず、ICAMの発現を制御しているmicroRNA(miRNA)としてmiR-125bをデータベースから検索・同定した。そこで、real time PCRを用いて、口腔癌細胞株10種類(HSC2,HSC3,HSC4,Ca9-22,KON,SCC4,OK92,OSC19,Sa3,H1)と多数の臨床検体におけるmiR-125bの発現状態を確認した。その結果、正常口腔粘膜上皮と比較して口腔癌細胞株で有意にmiR-125bの発現が減弱しており、多数の臨床検体においても86%の症例でmiR-125bの発現抑制が認められた。また、口腔癌細胞株を用いて、miR-125bを遺伝子導入して強制的に強発現させることによるICAM遺伝子の発現状態を確認し、miR-125bとICAM遺伝子との関連性を検討したところ、miR-125bを強発現させた細胞株において、ICAMの発現抑制を確認した。このことから、miR-125bはICAMの発現を制御していることがわかった。今後は、miR-125bを細胞株に遺伝子導入後、癌細胞の増殖や放射線耐性との関連について検討する予定である。
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