2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
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Keywords | 歯の再生 / iPS細胞 / 人工歯胚 |
Research Abstract |
歯の先天欠如や、齲蝕および歯周炎に起因した歯の喪失などによる歯の欠損の治療は、現在人工材料を用いた補綴処置が主である。しかし近年の活発な研究の成果により、歯の再生医療が現実味を帯びてきた。申請者らはこれまで、マウスの歯胚の上皮組織および間葉組織から分離した細胞を再構成することにより得られる人工歯胚(Nakao et al.,Nat Methods,2007)を用い、成体顎骨内における再生歯の萌出を明らかにして(Ikeda,T-Yamamoto et al.,PNAS,2009)、歯の再生の実用化に向けた基礎研究を推進してきた。しかし、ヒトへの臨床応用を目指した場合、ヒトの歯へ誘導可能な細胞の作製と、ヒトへ応用可能な人工歯胚の作製技術の開発が課題となる。このような背景のもと、申請者は、組織から採取した細胞ではなく、iPS細胞を歯胚への誘導能を有する間葉細胞へ分化させることを着想し、歯および口腔組織に由来する細胞からiPS細胞を樹立し、HES1遺伝子を調節して間葉細胞を誘導する方法を応用して、歯胚への誘導能を有する細胞を作製することを計画した。さらに、iPS細胞から樹立した歯胚への誘導能を有する間葉細胞と口腔粘膜上皮細胞を再構築して人工歯胚を作製する技術を開発する予定である。平成22年度は、マウスの歯髄、歯根膜、鐘状期後期の歯乳頭および歯小嚢、口腔粘膜から採取した細胞の培養方法を確立した。今後、それらの細胞に遺伝子導入を行い、iPS細胞の作製を行う予定である。また、平成22年度には、他研究機関から購入したヒトiPS細胞を用いて、iPS細胞培養技術の習熟を達成し、将来的に我々が作製する口腔組織由来のiPS細胞の培養に備えた。
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Research Products
(14 results)