2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
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Keywords | 再生医療 / ヒトiPS細胞 / ヒト歯髄細胞 |
Research Abstract |
我々は「歯の再生」の実用化へ向けた具体的な方法の確立を目指して、歯および口腔組織由来の細胞へOct3/4、Klf4、Sox2、c-Mycの四因子を遺伝子導入し、歯への分化能の高いiPS細胞を作製した。また、それらのiPS細胞から分化した間葉細胞と口腔粘膜上皮由来の上皮細胞との再構築による、人工歯胚作製の為の基盤的研究を行ってきた。 当初予定ではマヴスの口腔組織由来のiPS細胞を樹立する予定であったが、将来の臨床応用を見据えて、ヒトの口腔組織由来のiPS細胞を樹立することとした。ヒト歯髄細胞にエピソーマルベクターを用いた遺伝子導入を行うことにより、iPS細胞を樹立した。得られた細胞における未分化細胞マーカーの発現を解析するためにリアルタイムPCRと免疫染色を行った結果、Oct3/4、Sox2、Nanog、Rex1、DPPA5、DNMT3B遺伝子およびSSEA-4タンパク質の発現が認められた。またアルカリフォスファターゼ(ALP)染色を行った結果、樹立したiPS細胞はALP陽性であった。さらに核型解析を行った結果、染色体異常は認められなかった。現在iPS細胞から歯胚を構成する間葉細胞への分化誘導方法を確立するため、象牙芽細胞が発現する基質遺伝子の導入を基軸とした条件検討を行っている。今後、樹立したiPS細胞から分化した間葉細胞と口腔粘膜上皮由来の上皮細胞を3次元的に再構築し人工歯胚の作製を行い、得られた成果をもとに論文を作成する予定である。 本研究課題の成果をさらに発展させることにより、iPS細胞を用いた再生歯胚作製技術の開発を推進したい。この技術が開発されることにより「歯の再生」が現実のものとなり、人類の健康増進に寄与することから、本研究成果は意義がある。
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Research Products
(17 results)