2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯再生へ向けた低分子化合物を用いた歯髄幹細胞の樹立
Project/Area Number |
22659373
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩本 勉 東北大学, 大学病院, 講師 (90346916)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 歯髄幹細胞 / GSK3β特異的阻害剤 |
Research Abstract |
iPS細胞の発見により、細胞を利用した再生医療が注目を集めてきている。脊髄損傷後の神経再生や糖尿病、肝硬変、アルツイマー病などの疾患治療のみならず、毛根や網膜、歯の再生などの応用が期待されている。実際、今年度に入り放っておくと失明する恐れがある目の病気「加齢黄斑変性」を対象に臨床知見が認可され、実際の知見が始まろうとしている。しかしながら、iPS細胞自身における安全性には疑問があり、骨髄や臍帯血を用いた方法でも、幹細胞の獲得効率や簡便性という観点からも問題は多い。 我々は、すでに薬剤としての安全性が認可されているGSK3β阻害剤あるいはその他の種々の人工低分子化合物用いて、比較的侵襲の少ない抜歯後の乳歯歯髄細胞に添加することにより、幹細胞を効率的に回収、増殖させる調整法の開発に挑戦している。乳歯の場合、細胞が若く遺伝子の損傷自体も少なく、場合によっては、歯が自然脱落した際にも採取可能であることから、有力な幹細胞の供給源になり得ると考えている。 これまでにマウス歯乳頭細胞から樹立した細胞株mDP細胞に、GSK3β特異的阻害剤を処理することによって、歯髄細胞に存在する歯髄幹細胞の集団と類似した特徴的な細胞形態を呈して、さらにそれらの細胞は、Nanog遺伝子の発現上昇がみられ、胚性幹細胞と同等の性質を持っている可能性を示唆する結果を得てきた。さらに、これらの細胞を骨誘導培地にて、培養することによって、骨芽細胞特異的な分化マーカーの発現が上昇し、さらにアルカリフォスファターゼの活性や発現が有意に増加することを明らかにしてきた。現在は、引き続き神経細胞分化誘導能の検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)