2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫管理・ケアの客観的アウトカム評価指標としての肢体積測定器の開発
Project/Area Number |
22659389
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 敦子 金沢大学, 健康増進科学センター, 准教授 (80343185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 恵美子 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (40325907)
奥津 文子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (10314270)
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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Keywords | 看護技術 / リンパ浮腫 / 体積測定 |
Research Abstract |
2008年よりリンパ浮腫に関する保険適用が一部認められ、複合的マッサージ、弾性着衣、多層包帯の使用が推奨されているが、それらケア方法の有効性に関するエビデンスは乏しい。その理由として、アウトカム評価に必要なリンパ浮腫自体を正確にかつ簡便に測定できる肢体積測定器が存在しないことが考えられる。リンパ浮腫患者自身が安心・納得いくリンパ浮腫管理法を選択するためには客観的アウトカム指標が必須である。本研究の目的は、簡易型肢体積測定器を開発することである。 今年度、体積計測器開発に必要な基礎情報を集めるため、リンパ浮腫患者を対象とした調査を5地域で行った。期間前半は調査フィールドの獲得と研究分担者(青森、滋賀)及び研究協力者(東京、群馬、金沢)が広域にて調査するため、信頼性・妥当性の高いデータを迅速に収集するデータベースを作成した。データベースは国際リンパ浮腫フレームワークが開発したミニマムデータセットを基盤としている。データベースに登録された224名のデータを解析した。性別は、男性29名(9.5%)、女性195名(87.1%)、年齢平均(SD;最小一最大)は、53.2(13.3;17-87)歳、BMI22.7(3.8;13.7-40.4)であった。リンパ浮腫の部位は、上肢60名26.8%(片側59名、両側1名)、上肢164名73.2%(片側125名、両側39名)であった。上肢周囲径は、肘を中心に5cmごと中枢側3点、末梢側4点の計7か所を測定し、全データの平均値を算出した。最小周囲径は肘下20cm測定点の18.1cm、最大周囲径は肘下5cm測定点の30.6cmであった。下肢周囲径は、膝を中心に5cmごと中枢側3点、末梢側3点、膝の計7か所を測定し、全データの平均値を算出した。最小周囲径は膝下20cm測定点の28.9cm、最大周囲径は膝上20cm測定点の46.9cmであった。上肢および下肢の関節可域に制限がみられた。
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