2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659394
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山本 あい子 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80182608)
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Keywords | 災害看護 / 障害者 / ニード査定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害のある人々の災害後の健康ニーズを査定するための基準構築である。平成23年度は、事例調査を通して、査定基準の作成を行うことであった。 これまでに、障害のある人々の災害時の健康や生活について、あまり研究されておらず、事例調査のための査定基準を、世界保健機関(WHO)が発表した国際生活機能分類(ICF)と、過去の研究にあるフレームワークを基に作成した、半構成的質問用紙によるインタビュー調査を実施した。質問項目は、体験した災害、被災状況、健康状態、コミュニケーションニーズ、医療ニーズ、移動ニーズ、自立的生活を送るニーズ、生活場所、活動と生活(仕事、社会的活動等)であった。研究協力者は、過去に災害を経験している肢体不自由の人を対象とした。 調査の結果、研究協力者が体験した災害は、地震であった。健康ニードや生活について、ICF分類における活動と参加に関する項目では、移動の制限、セルフケアの低下(服薬中断、排泄の変化)、対人関係の変化(支援者の変化や環境の変化により新たな対人関係の形成等)、主要な生活領域の変化(避難により無報酬の仕事の中断もしくは増加)等があった。環境因子では、自然環境と人間がもたらした環境変化(災害による環境の変化)、支援と関係(新たな支援者との関係形成等)の項目が示された。 結果より、障害のある人々の災害発生後の健康ニードや生活について、査定基準に必要な項目とその具体的な内容が明らかとなった。これらの内容は、災害発生後、障害のある人々の健康維持や回復のために、支援者やケア提供者がニード査定をするために必要な指標とそこから具体的な方略を導き出す指標が明らかとなり、このことはこれまでの研究では提示されていなかったことであり、今後、災害時の障害者の方々に対するケア方略につながることから非常に重要な結果を得たと考える。
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