2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の身体診察技術を活用した災害時遺体対応能力の開発
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22659395
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
石田 佳代子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (90341239)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 看護学 / 医療 / 災害 / 救命 / 看護師 / 身体診察 / 遺体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国内における災害現場でのトリアージによって、黒のトリアージタグ (黒タグ) を付された遺体に対する身体診察 (死亡の再確認) およびタグへの所見などの記入を看護師が行うために必要な能力の開発について検討することである。 本年度は、国外における優れた災害医療教育や災害時医療体制などについて学ぶために、国外訪問調査を行った。訪問場所はスウェーデンのリンショーピン災害医療・外傷学教育研究センターで、訪問期間は平成24年6月中旬の3日間であった。当該センターが主催する災害医療教育プログラムに参加し、エマルゴ・トレイン・システムを用いたシミュレーション演習を実際に体験した。エマルゴ・トレイン・システムは、スウェーデンで開発された災害訓練用のシミュレーション・システムで、国際的にも普及している。主な演習内容は、シミュレーションのためのシナリオ・ガイドラインの作成方法、演習目的・ゴール・目標・評価指標などの設定方法、インストラクションの方法などであり、これらを学んだ。そして、非常事態に対応するためには、 (1)目的・目標に向かうためのマネージメント、(2)活動範囲や内容などの方針を決定して達成するための効率的な組織の構成と役割、(3)効率的なマネージメントのためのコミュニケーション、(4)現場における医療行為を迅速に判断し決定するための医療に関する方針決定、(5)多組織間で共同作業を行う際の取り決めと調整のための連携、が重要であることを学んだ。これらの基本方針は、看護師が黒タグ者に対応するための基本方針として活用可能と考えた。国内における黒タグ者への対応指針は未だ明確ではない。以上の内容を黒タグ者に対応するための一連の流れをシミュレーションにより学べるツールの開発に役立て、わが国の状況に応じた看護師の役割や活動の在り方をモデル化して提案することが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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