2011 Fiscal Year Annual Research Report
意識障害患者の機能予後の改善を目指す生体リズム調整看護プログラム
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22659398
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
清村 紀子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 准教授 (90331008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70104809)
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Keywords | 概日リズム / 生体リズム調整 / 脳血管障害 / 意識障害 / 看護介入プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳血管疾患の急性期にある患者の概日リズム(以下、CR)を健康レベルに変化させ得るCR調整看護ケアプログラムを探求することにある。本年度は、介入研究に向けて脳血管障害を呈し急性期にある患者の生体リズムの詳細分析を行った。 1.脳内出血発症34時間後から発症後13日目で死亡にいたるまでの間、48時間連続1分間隔で心電図(R-R間隔)を測定した。得られた連続データは、(1)発症34時間後から死亡にいたるまでの全体、(2)一般的な病態経過を考慮した「~3日目まで」、「3日目~7日目」、「7日目~END」、の期間に区分し、それぞれの連続データについて最大エントロピー法(MEM)によるスペクトル解析と非線形最小二乗法(LSM)によるあてはめ解析を行った。結果、i)いずれの期間でも、Mesorはほぼ一定かつAmplitudeは0.9~2.9と平坦で著しいリズムの消失が確認された、ii)その中でも特に「3日目~7日目」の周期リズムは98.2時間と他の期間と著しく異なっていた。 2.上記1-ii)の結果を受け、概日リズム消失の時期を特定するために、データを発症34時間後から1時間ずつずらした24時間毎の連続データに区分し、詳細分析を行った。結果、発症後39時間以内においては24時間周期のスペクトルが存在するものの、発症後40時間以降24時間周期のスペクトルが消失していることを確認した。 3.次年度以降の介入研究プロトコール作成にあたっては、(1)介入時期は24時間周期の存在する可能性が高い少なくとも発症後40時間以内(2日以内)に開始することが望ましい、(2)対象者個別の周期リズムを捉えての看護介入の開始がその成果の可否に影響を与える可能性がある、(3)発症後2日以内は生命危機の状態にもあるため、特にこの時期は非侵襲的かつ安全性が科学的に担保された看護介入を検討する必要がある、の3点が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
選定条件に合致した患者の入院事例が非常に少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.1事例について詳細分析した結果を学会及び論文整理し、急性期患者の概日リズム消失時期を捉える重要性について発表していく。 2.研究目的達成に影響を及ぼさない範囲で患者選定条件を緩和し、データ収集し、予備介入実施後、本介入実施へと移行していく。
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