2012 Fiscal Year Annual Research Report
救急医療の社会的・倫理的問題への対応能力向上に向けた救急看護師教育システムの開発
Project/Area Number |
22659402
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
明石 惠子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (20231805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 貴彦 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60345981)
森木 ゆう子 摂南大学, 看護学部, 講師 (70374163)
臼井 千津 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (80223535)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 救急医療 / 救急看護師教育 / 社会的・倫理的問題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、救急看護師の葛藤や疲弊をもたらす救急医療の社会的問題とその要因を明らかにし、倫理を含めた社会的な視点から救急看護師の役割を提案し、看護師の倫理的対応能力を向上させるための教育システムを開発・評価することであった。 1.実態調査 救急救命士・看護師に対する面接調査から救急医療における社会的な問題や倫理的な問題を検討した。その結果、救急救命士は、主に救急車の適正利用、病院選定と搬送、病院に対する受け入れ要請の連絡、プレホスピタルケアにおける救急救命士の処置範囲において問題を感じていていた。一方看護師は、施設間・地域間の差や担当医の専門領域によって傷病者受け入れの判断が異なることへのジレンマ、受け入れ拒否に伴う傷病者への影響、身元不明患者や老健施設からの搬送患者における治療方針の判断などに問題を感じていた。これらから救急救命士も、救急看護師も、救急搬送患者の受け入れに伴う問題を認識していることが明らかになった。 2.救急看護師教育システムの一つとしての研究会の開催と評価 社会的・倫理的問題をもつ事例への対応方法の議論を目的とした“東海救急看護研究会”を2012年度に3回開催した。それぞれのテーマは「治療の意思確認ができない救急患者の終末期ケア」「緊急手術・治療の継続を望まない急性腹部大動脈閉鎖患者の家族」「救急搬送された患者の薬物検査の適応」であった。また本研究会を評価するために、過去10回分の参加者アンケートの結果を分析した。参加者の多くは看護師であったが、医師や救急救命士の参加もあり、事例を通して学ぶという方略は、参加者にとって有意義であり、このような研究会の継続開催の必要性が明らかになった。 以上より、救急看護師には倫理的な問題への対応能力が求められ、他職種による救急搬送患者の事例検討は、それを高めるための効果的な教育の場となり得ると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] 東海救急看護研究会活動報告2013
Author(s)
明石惠子, 臼井千津,伊藤稔子,大原美佳,小倉久美子,奥田晃子,笠原真弓,角由美子,山口弘子,前田貴彦,森木ゆう子
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Journal Title
名古屋市立大学看護学部紀要
Volume: 12
Pages: 73-77
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