2011 Fiscal Year Annual Research Report
愛着障害等に対する介入的または治療的小児・家族看護実践に向けたセラプレイの導入
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22659415
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
喜多 淳子 大阪市立大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (30295828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉上 麻美 大阪市立大学, 大学院・看護学研究科, 講師 (40321137)
長谷川 由香 大阪市立大学, 大学院・看護学研究科, 講師 (40614756)
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Keywords | 家族看護学 / 小児看護学 / 母性・女性看護学 |
Research Abstract |
研究成果1.「愛着障害等に対する介入的または治療的小児・家族看護実践に向けたセラプレイの導入」に向けた準備 1)準備期間平成22年4月~平成23年4月末 2)準備内容(1)APA倫理綱領(2010)及び日本心理学関連団体の倫理規定を基準にした倫理規定の確立(2)申請者による家族遊戯療法(仮称)及び両親へのカウンセリングを中心とした介入プロトコル(独立変数)を中心としたプログラムの作成(3)STAIなど心理尺度、唾液アミラーゼ値、血圧及び心拍数ならびに心電図波形、セッション中の映像、気がかりや安心感などカウンセリング時の"親の思い"や親自身による子どもに対する主観的評価に対する分析など(従属変数)プログラム評価方法の確立(4)介入プロトコールの作成(5)参加者の募集要領の作成などの準備を行った。2.プログラムの実施1)実施期間 平成22年6月~平成24年3月末進行中 2)参加家族数 3家族。うち10か月継続中1家族(事例A)、9か月で終了1家族(事例B)、1回のみ参加1家族(事例C)である。3事例それぞれの評価データに基づく分析を実施中である。3.プログラム及び介入プロトコールの修正・追加 1)長期プログラムの追加 事例Aは、引き続きプログラム参加を希望しておられるため、長期プログラムに相応しい新たな内容を追加作成中である。2)参加者募集方法の追加 申請者は平成23年10月より、大学近隣の百貨店において月2回育児相談を開始している。育児困難や育児不安を訴える相談者(母親)の中で、継続的ケアやセラピーが必要と申請者がアセスメントした対象者への介入プロトコール及び追加プログラムを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.「9.研究実績の概要」に示したように、参加応募した3家族に対して本プログラムを実施しながら、現在プログラム評価及び修正・追加も行っている。プログラム参加家族数は、これまでのところ多くない。しかし、予定を超える長期間参加希望家族が得られている。また、大学近隣の百貨店で開始した育児相談に来られる母親の中から、継続的ケアやセラピーが必要な対象を本プログラムにつなげることによって、「街角育児相談」(仮称)から継続的・専門的介入プログラムに繋げる方法も、想定外の成果として形成しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今後の推進方策プログラム参加家族や子どもの課題や参加状況及び介入効果には様々な要因が関連していると考えられる。従って、最終的には多くの事例における背景要因などを集積して、プログラム効果の判断を行う必要がある。しかし、時間的ならびに労力的問題から本課題では継続的・専門的介入の必要度のある家族と子供に対する事例研究として例数を重ねていくこととする。その際のプログラムの効果の評価については、プログラム参加前後での諸指標の比較及び質的データ分析を通した対象家族及び子どもの変化を明らかにすることによって評価する。 2.研究計画の変更あるいは研究遂行上での問題点 本課題の当初の計画では、小児・家族看護実践への応用可能性を明らかにすることを最終目標にすることである。しかし、我が国では子どもや家族への介入的または治療的看護実践という概念や研究が、十分浸透しているとは言えない。従って、今回は看護領域に限らず、臨床心理学や保健学などにおける公表を目標として、成果をまとめていく方向で方針変更を検討している。
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Research Products
(2 results)