2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22659420
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
友田 尋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30237135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 利江子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 客員研究員 (20332942)
長江 美代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40418869)
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Keywords | ドウーラ / DVドウー / 周産期 |
Research Abstract |
この研究目的を達成するために、以下の4つの目標を掲げている。 目標1.対象集団における女性の周産期の健康問題を明らかにし、ニーズを特定する。 目標2.ドゥーラにつなぐ保健師対象の研修においてプログラムの体験・ドゥーラ理解を深め、米シカゴで開発されたCommunity based Doula Mode(似下、CDM)導入を検討する。 目標3.ドゥーラを用いた周産期支援プログラムを実践する。 目標4.目標1から3で明らかになった結果に基づき日本版ドゥーラ周産期支援プログラムを開発する。 本年度までに目標3まで到達した。 具体的には、DV被害者の周産期に起こった出来事やサポート及びニーズを質的研究で明らかにし、周産期サポートの具体を出産後2年以内の女性へのアンケート調査をすることでDVスクリーニングが明らかになった。これらの結果は、2つの学会で発表し、意見を聞くことで課題も見いだすことができた。たとえば、DV被害者をどのように発見し、支援の枠に入れることができるか、ドウーラに使用するお金はあるのであろうか、日本では医療現場に無免許の者が参画することはできるかといったことである。しかし、諸外国では当社には出た意見であったが大きな問題はなかったという報告がある。日本の場合の違いを今後はさらに明らかにする必要はある。 これらの明らかになった結果に基づき、DV(IPV)に特化した日本版ドウーラ周産期支援プログラムを開発する準備段階となった。3月末には、シカゴでミーティングをすることで、日本のcultureとViolenceと制度をくさび形のようにしたようなプログラム作成への意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ねという理由は、聞き取り調査の対象者の環境が様々に問題をはらんでいることが多く、当日キャンセルなどといったインタビューに遅れをなすことが多々おこっている。ただ、分析するだけの確保および分析は進み、次年度の目標であるプログラム作成にすすむことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
着目したのがソーシャルマザー(社会的母親)的存在の可能性をもつ非専門職ドゥーラ(Doula)であるが、特に出産が女性にとってよい経験であったかトラウマ的経験であったかどうかは、その後の愛着形成と母子関係の確立に大きく影響する。核家族化による地域からの支援が希薄になりがちな現在は、家族だけに子育ての役割を期待することは難しく、こどもの虐待やドメスティック・バイオレンスを予防し健全なこどもを育成していくための新たなソーシャルマザーの役割が必要である。本研究は、周産期医療において不足している心理・社会的サポートを強化し、女性のエンパワメント、母親への成長、よりよい母子関係の確立を支援するために、ドゥーラを導入することを目的に、女性にとってこどもを産み育てやすい社会環境を提供し、周産期における女性の社会健康問題への予防および介入のためのシステムづくりに貢献することで、健康的な次世代育成をめざすことであり、こどもの虐待を防止し、少子化対策へも貢献することとなる。本研究課題にニーズ及びドウーラ育成までを明確にしたが養成及び評価がある。また、このプログラムを参考に東京助産師会ではドウーラ育成を検討し始めたが、今後さらに多くの施設や場所での実施やドウーラ育成施策を検討する必要がある。
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Research Products
(2 results)