2010 Fiscal Year Annual Research Report
保健師の倫理的実践に関わる自治体行政組織のエスノグラフィー
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22659434
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
麻原 きよみ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80240795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 若菜子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (50550737)
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Keywords | 保健師 / 倫理 / 実践 / 行政 / 自治体 / 組織 / エスノグラフィー |
Research Abstract |
本研究の目的は、保健師の日常の倫理的ジレンマを生じさせ、倫理的実践を困難にする自治体行政組織の文化を明らかにすることである。平成22年度は、研究目的に基づくフィールドワークの準備として、文献検討、方法論に関する検討、自治体に調査の受け入れの可能性を打診した。 1. 文献検討:行政組織、行政に所属する保健師実践に関する文献について、文献データベースの検索システム等を用いて検索し、文献検討を行った。その結果、行政の組織文化のキーワードとして「セクショナリズム」という概念の重要性が見出された。また行政組織のタイプ(県あるいは市町村)による組織文化の違いがある可能性が示唆された。改めて保健師の倫理実践の問題が生じる行政組織の文化と保健師の倫理的実践が定着する組織文化を探索することの必要性が見出された。 2. 方法論に関する検討:エスノグラフィーの方法論の進め方、注意事項などについて研究者間で共有した。また、研究計画立案に向けて、研究の焦点、研究方法について、研究者間で検討した。さらに文化人類学の専門家に調査の方法論について指導を受けた。今後、倫理的実践が行われている自治体で、フィールドワークを行い、保健師の日頃の倫理的実践に関する組織文化を記述する。 3. 自治体へのアプローチ:倫理教育プログラム開発で関わっている自治体(政令指定都市、地方の市町村)に対して、調査内容について説明、受け入れの可能性を打診した。次年度、自治体において、フィールドワークを実施する予定である。
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